アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流
 遼介はただただ歩いた。何の目的も
なかった。どこをどう歩いているのか、
本人は知らなかった。ただ帰巣本能の
ようなものに導かれて、新大久保から
北新宿、中野から高円寺南へと歩いて
いた。遼介の頭の中には、新たなる勝利
の詩のフレースが浮かんでいた。彼はそれ
を念仏のように、モゴモゴと口ずさんで
いた。

 遼介は自室のベッドで昏々と眠っていた。
途中何度か夢遊病のように小用に立ったが、
ほぼ丸2日、眠り続けた。その間ゴタゴタ
と、さまざまな夢を見た。そして次第に
夢の世界から引き離され、現実世界へと
意識が戻っていった。

 午後も夕刻近くなった頃、遼介は目を
覚ました。まだ半分意識は朦朧としていた。
見慣れた場所だけに、ここが自分の部屋で
ある事だけは認識出来た。だが過去の記憶
が欠落していて、なぜ自分が今頃ここで
寝ているのか何も判らなかった。

 遼介はベッドサイドに腰掛け、汚れた
服を見て驚いた。掌で頬を撫でると、
鬚がだいぶ伸びていた。頬肉も落ちて
痩せたような感じだった。遼介はあまり
深く考えず、ともかく風呂だと思った。
着替えを出して、のそのそと1階へ降り
て、浴槽の湯を沸かしながら歯を磨いた。
鏡に映った自分の顔が、別の人間に見えた。

 汗と泥で汚れきった服を脱ぎ、全て
洗濯機に入れ、浴室に入った。浴槽の
ぬるい湯を湯桶ですくって体にかけると、
生き返ったような暖かさを感じた。
彼はシャンプーして髪を洗い、鬚を
綺麗に剃り落とした。有紀が使っていた
ヘチマのスポンジで体を擦ると、面白い
ように大量の垢が出てきた。
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