アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流
「お前ら、どいてろ・・・」

男は2度3度素振りをしてから、遼介
に対してバットを青眼に構えた。その
バットは鬼の金棒のように、釘を刺して
針山のように加工されていた。

「おりゃあぁぁ・・死ねやあぁぁぁ・・」

男は胃腸を捻ったような渾身の絶叫と
共に、遼介の頭蓋骨めがけてバットを
振り下ろした。

 遼介は格闘技の経験はおろか、喧嘩
さえした事がなかった。だから以前の
彼ならば、恐ろしさのあまり失禁しな
がら泣きわめいていてもおかしくない
状況だった。しかし今の彼には、そう
した感覚が欠落していた。遼介は咄嗟
に、左肩の黒いショルダーバックを楯
にして、針山の金属バットを防御した。

「ボコッ・・・」

 鈍い音がして、バットがバックに突き
刺さった。男は再び攻撃に転ずべく、
バットを抜こうと舌。その一瞬の隙に、
遼介は両手で鞄を引き寄せ、同時に
男の両手首を鷲掴みにして爪を立てた。
男の手首の肉に、爪が食い込んだ。

「ウググッ・・・」

 激痛に耐えかねて、男がバットを手放し
た。遼介は鞄を地面に置き、バットを引き
抜いた。その動作は素早かった。

「ムハハハハハハッ・・・」

遼介はバットを握って、高らかに笑った。

「おい、ヤバイぜ・・・こいつ、ブチギレ
てるよ・・・」

もう1人の男が、ポケットの中のナイフを
握ったまま、1歩2歩と後ずさりした。

 遼介は舌なめずりをしながら、ネットリ
とした目線で若い男女を見回した。
遼介の目に彼らは、人間と映ってはいな
かった。悪魔の都バビロンで山羊の面を
つけて狂乱の踊りを繰り広げる、ヒステ
リックな裸の獣たちだった。バットを
持った遼介は、自分でも信じられない
ような力が、体の奥底からマグマのよう
に湧いてくるのを感じていた。

 遼介は口元に薄笑いを浮かべながら、
バットの男めがけて正面からバットを振り
下ろした。男は咄嗟に両手を顔の正面で
クロスさせて防御した。

「グギッ・・・」
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