アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流
 遼介はひどい寒気を感じて、ビクッと
体を震わせながら目を覚ました。いったい
ここが何処なのか、今がいつで、自分が
ここで何をしているのか、しばらくは
何もわからなかった。少し意識はクリア
になっていた。どこから漂ってくるのか、
花の香りが甘く鼻をかすめた。

「・・・翔子・・・」

 甘い花の香りから、翔子を連想した。
そして断片的な記憶を取り戻した。

「そうだ・・・教会・・・」

そう思ってビルの窓を見ると、真っ暗
になっていた。遼介はともかくも立ち
上がり、教会の方向へ歩き出した。

「試練だ・・これは荒野での試練なのだ・・」
遼介は自分で自分に言い聞かせた。

 教会のあるビルの入り口近くまで進んだ
遼介は、階段を降りてくる靴音を聞いた。
とっさに遼介は、近くの電柱に身を潜めた。
入り口から出てきたのは、白っぽいドレスの
ような服を着た若い女だった。彼女は高円寺
駅方向に向かって歩き出した。暗く細い道に、
ヒールの音がこだました。

「翔子が拉致されている場所の
手がかりが掴めるかもしれない。」

すっかりそう思い込んでいる遼介は、白い
服だけを目印にして、遠くから彼女の後を
尾行し始めた。

 やがて彼女は、高円寺駅に着き、ホーム
に立って新宿方面の電車に乗った。遼介は
同じ車輌に乗り込んだ。駅で今が十一時半
だとわかった。彼女は新宿で下車して、
東口から西武新宿方向に歩いていった。
遼介も後を追ったが、大ガード付近の
人混みの中で彼女を見失った。

「どこだ・・・どこに消えた・・・」

 遼介は小走りに西武新宿線駅の階段を
駆け上がったが、それらしき人影は
どこにも見当たらなかった。遼介は切符
を買って改札を抜け、停車中の車輌を
除いた。しかしそれらしい女は乗って
いなかった。彼はホームの脇にある
歌舞伎町口から改札を出た。歌舞伎町裏
の細道には、酔客とホステスがちらほら
歩き、換気扇から出てくる料理の匂いが
漂っていた。
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