アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流
 次に遼介の脳裏に去来したのは、偶像
の天使・翔子の面影だった。

「おお、彼女こそ私の作戦参謀。なんと
いう出会いの巧妙さよ・・・ムハハハハ
ハッ・・・」

遼介は真っ暗な部屋の中で高々と笑った。

「そうだ、こうしてはおれぬ。早速彼女に
会い、今後の作戦を練らなければならぬ
わ。」

 遼介はまず、ワードの詩をプリントアウト
した。その作業が済むと、再びウイスキー
をラッパ飲みして景気をつけ、黒い
ショルダーバッグに紙束を入れた。そして
着替えもせず、慌しく自宅を出て行った。

「待っていろ、翔子・・・待っていろよ、
悪魔の言いなりになっている民衆よ。皆が
待ちに待っていた者が、今出撃したのだ。」

 遼介は大声で独り言を言いながら、夜の
高円寺を翔子の教会目指して歩いていた。
すれ違う通行人たちは、一様に顔をしかめ、
関わり合いにならないようにと、大きく
迂回して彼に道を譲った。彼はその行動を、
自分自身に対する尊敬の現われと錯覚して
いた。
「いや、楽に楽に・・・私は庶民の味方
である・・・」

 遼介は通行人の態度に満足しながら、
よろけた足どりで歩いていた。人が見れば
ただの不気味な酔っ払いなのだが、本人は
堂々と歩いているつもりだった。やがて
遼介は、高円寺中央公園に向かう細い道に
入り、翔子の教会の前に出た。ビルの壁に
手をついて体を支え、息を切らしながら
階段を上った。そして教会のドアを、拳で
ガンガンと叩いた。

「翔子ぉぉぉ・・・」

 遼介は大声で翔子の名を呼んだ。酒の
勢いで、相当気が大きくなっていた。
驚いたのは、中にいた関係者だった。
異常を察知した支部長が、皆を代表して
応対の為、少しだけドアを開いた。

「どちら様でしょう?」
支部長が低く渋い声で言った。

「翔子・・・いや、愛咲さんを呼んで
いただきたい・・・」
 遼介は半分ロレツが回らなくなって
いた。酒臭い息が、ドアの隙間から教会
内に流れ込んだ。

「愛咲さんはおりません。お引取り下
さい。」
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