アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流
 自室にはまとめ買いしたウイスキー
10本があった。ストレートのウイスキー
をグラスに半分ほど注ぎ、グイグイと
一気に飲み干すと、昂ぶっていた感情が
一時収まった。遼介は机に向い、パソコン
を起動させると、日中溜まっていた文章
を流れるように打ち始めた。それは革命
の詩の続きだった。同じようなフレーズ
が、くどいほど繰り返されていた。

 流れが止まると、ウイスキーをグイ
グイ飲んだ。そしてまたキーボードを
叩く。そんな作業をしているうちに、
日は西に傾き、部屋の中に明かりが必要
な暗さになっていた。遼介はワープロを
打っている間、口を半開きにして頭を
回転させていた。口元からはよだれが
垂れ、ワイシャツの胸元を濡らしていた。

「・・・かくして神の軍団は進む・・
栄光の十字架を胸に・・・大雪原の
吹雪にも屈せず、粛々と進む・・・」

 遼介は4時間ぶっ続けでキーボードを
操った。そして不意にその感の高揚感が
プツンと切れた。すると潮がサァーッと
引いてゆくように、全身から力が抜けて
いった。闇が遼介の細胞の中に溶け込み、
絶望的な孤独感に襲われた。

「寒い・・・」

 遼介は全身をブルブルと震わせた。
体を温めようと、ウイスキーを煽った。
すでにボトルは空に近かった。それでも
震えは止まらなかった。海老のように
体を丸めた。布団を頭から被った。闇の
中で目を閉じていると、詩に描いた
イメージの映像が、まるで映画でも
見ているようにクリアに現われた。
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