アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流
宗教改革者で便秘症のマルチン・ルター
は、尻の穴に悪魔がいると言っていた。
言われてみればサイコパスそのものに
思える。翔子は「宗教戦争」の謎が
解けたような感じになった。

 弥生はウォッカトニックをおかわり
してから、翔子の顔をじっと見つめた。

「ねえ、これを書いた男性の事だけど
・・・ちょっとした事で涙を流すよう
な事、なかった?」

「はい、ありました。」

「そうか・・・やっぱりねぇ・・」
「それが何か?」

「うん。詩の中の乙女っていう言葉が
ちょっと気になってね。これが理想の
女性像なんだろうなと思って。」

 翔子は遼介が感激して握手を求めて
きた時の事を思い出していた。

「こういう美化された女性像は、本人
の未熟なアニマの表象なの。」

「アニマですか?」

「そう。ユングが提唱した、男性の
内面にある女性的人格の事。たぶん
彼はそれまで、成熟した生々しい女と
いう存在を軽蔑していたはずだわ。
それは同時に肉欲の対象でもある。
サイコパス構造がベースにあるから、
女を支配し、征服したいという願望も
あった。軽蔑しつつ、満たされない
欲望に飢えている。その矛盾と葛藤が
歪みとして無意識レベルに蓄積されて
ゆく。歪みが臨界レベルに達した時、
ほんの小さなアクシデントによって
リバウンドが起こる。」

「それからどうなるんですか?」

「未熟なアニマが目覚めると、ちょっと
した事で涙を流したり、感傷的になっ
たりする反面、禁欲的になったりも
するの。彼が翔子ちゃんの誘いでキリ
スト教的な世界にパーンしたのは、
生々しい肉欲から無縁に見えるもの
への逃避行動でしょうね。でもこれが、
事態をますます悪化させる事になるわ。
自分で抑圧の壁を塗りたくっている
わけだから。」
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