アストラルの森2/聖人間工房
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流

第2章・深層潮流<1>

 金刺(かなさす)弥生は、大手化粧品
メーカー主催の国際シンポジウムの
スタッフとして仙台市に来ていた。朝
早く宿泊先のホテルを出て、ゆっくり
歩いて気分のいい散歩を楽しんでいた。
広瀬川に架かる大橋を渡ると、会場と
なる国際センターがある。だが会場
入りするには、まだ少し時間があった。

 弥生は青葉城隅櫓を見上げながら、
城の石垣の下を美術館方向に歩き、
さらに澱橋まで進んだ。遠景には
桜の開花を待つ八幡の小高い山並み
が見え、橋の対岸にはよく整備された
河川敷公園が見えた。弥生は橋を渡り、
赤いクッション素材で舗装された
河川敷のジョギングコースに歩みを
進めた。

 弥生は笹の葉色の水量豊かな川の
流れが見える所まで歩き、深呼吸を
してからベンチに腰掛けた。小鳥たち
の賑やかな声が、楽しそうに聞こえて
いた。

「ああ、気の流れが気持ちいい場所・・」
弥生はコンビニで買ったサンドイッチ
と緑茶で、簡単な朝食をとった。
 河川敷には朝の散歩を楽しむ老人や、
犬の姿が多かった。弥生が朝食を済
ませた頃、白いブラウスにカーディガン、
ペイズリー柄のロングスカートを身に
付けた、散歩中と思われる女性の姿が
目に止まった。彼女は弥生の姿を見つけ
ると、「あっ」という驚きの声をあげた。

「弥生先生・・・」

 弥生は見知らぬ土地で誰だろうと、
少し小首を傾げながら彼女をじっと見
つめた。

「ああ・・・翔子ちゃん・・・」

彼女が中学3年の夏休みの時に、臨時で
英語を教えた愛咲翔子だった。

「翔子ちゃん、すっかり大人っぽく
なって・・・誰だかわからなかったわ。」

翔子は小躍りしながら、弥生の横に腰
掛けた。

「私の実家、この近くなんです・・・
一昨日祖母が心臓発作で倒れたと聞い
て東京から。」

「そう・・・大変ね。」

「先生も仙台に来たの?」
「私はお仕事。明後日には帰らないと。」
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