アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第1章 第1章・妄想回路
 金吾は頬をポリポリと掻いた。

「廃人同様になったり、非常識な言動や
行動で怨みを買って、殺されるなん
て事になるかもしれないのさ。」

「わおっ・・望むところよ・・・」

「まったくすごい霊に乗っ取られた
もんだ・・・同情するよ。」

「同情なんかしないでよ。」

「女は恐いな・・・」
金吾は苦笑いするしかなかった。



第1章・妄想回路<4>

 遼介は勤務時間内でも、暇を見つけ
ては聖書を読んでいた。旧約聖書を冒頭
から読み、エブラという言葉を探していた。
だがそれを発見する事は出来なかった。
そしていつものように5時になり、遼介
は脱兎の如く職場を後にした。

 高円寺行きのバスの中で、遼介は昨日の
詩を何度も繰り返し読んだ。

━早く翔子さんに会いたい。会って
この詩を早く見せたい━

遼介の頭の中には、その一念しかなかった。

━私は彼女に会ってから、生まれ変わった
のだ━

遼介は愛咲翔子という女性に、天使や
女神のイメージを重ね合わせた。

━運命なのだ。私はいつまでも退屈な
役人仕事をして、一生を終えるような
男ではなかったのだ━

 昨日までの遼介は、バスの中で女性の
裸身を妄想する事が、ひとつの楽しみ
でもあった。だが今は、革命という言葉
の響きの方が心を熱くした。目を閉じる
と、無数の民衆を前にして大声で演説
する自分の姿を、リアルな映像として
見る事が出来た。

━そうなのだ。いつまでも腐敗・堕落
した世界であってはならないのだ。時代
は私を必要としているのだ。その為の
革命なのだ。神の世界をこの地上に実現
させる為、私は翔子と共に戦うべき運命
にあるのだ━

 遼介は革命戦士の妄想に自己陶酔し、
自らを奮い立たせた。バスが高円寺駅前
に着き、降車タラップを降りた時、遼介
は行き交う通行人を見た。心なしか自分
に対して尊敬の眼差しを向けているように
見えたが、まだ無関心な者たちも多かった。


「無理もない、昨日の今日だ。まだ私の
偉大なる目覚めに気づいていないのだろう。
だが今に私は、彼らから熱狂的に支持
されるようになるだろう。何せ私は、
彼ら迷える者たちを救済に導く、新時代
の革命戦士に選ばれた者なのだから・・」

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