アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第1章 第1章・妄想回路
 有紀はさすがに頭がクラクラしてきた。
だが金吾は割と楽しそうだった。澱みなく、
豊富な知識が次々に飛び出した。

「1968年にイタリア大学の考古学
チームが、北シリア・アレッポの遺跡
を調査していたら、古代シュメール語と
古代カナン語で書かれた1万7千枚の
粘土板が出てきた。そこに書かれた王の
名前に、ダビデとかアブラハムなんて
名前があったので、ひょっとしたら
エブラ帝国は、最古のヘブル人国家
かもしれないと言われている。旧約
聖書に登場するダビデ・ソロモンの
イスラエル国家より、古くて大きい
ユダヤの帝国。それを失われし古代の
楽園と表現するあたり、彼の詩の精度
は高いと言える。」

 有紀には少し難しい話になったらしい。
彼女はしばらく沈黙した。

「要するにエブラって王様は、今のユダヤ
教とキリスト教のご先祖様みたいなもの
なんだ。その意識体がどういうわけか、
大町遼介をスピーカー代わりにして復活
したというわけだ。」

 有紀は難しそうな表情で、ペットボトル
のウーロン茶をゴクリと飲んだ。

「割と精度の高いメッセージだから、感激
して従う信者が現われても不思議じゃない
な。」

「彼が宗教の教祖にでもなるって事?」
有紀は目を丸くして驚いた。そして睨む
ようなきつい目になった。

「あんな奴が周りからチヤホヤされるなんて、
絶対に許せない・・・」

 金吾は有紀の言葉に苦笑した。

「何もそこまで嫌わなくても・・・」
「いやよ・・絶対にいや・・潰してよ・・」
「潰せって言われてもなぁ・・・それにな、
宗教の教祖として成功するとは言って
ないよ。」

「違うの?」

「宗教の教祖には苦労人が多い。社会的常識
を心得たカリスマだな。けど問題なのは、
自動書記みたいな、突如として神がかった
場合さ。本人の資質次第なんだが、たいてい
の場合、潜在意識のパワーに振り回されて
破滅するだろうな。そういう例はゴマンと
ある。」

「そうなんだ・・・よかった。」
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