アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第1章 第1章・妄想回路
「いったん通路が開いてしまった以上、
もう元には戻れない。」

「どうなるの?」

「際限なく自己肥大してゆくだろうなぁ。
エブラだものなぁ・・・」

「エブラって?」

「シリアという言葉から推測すると、古代
エブラ帝国だろうな。紀元前3千年頃、シリア、
パレスチナ、ヒッタイトやシナイ半島あたり
までを版図にしていた国さ。もっともこんな
事知っているのは、聖書考古学者かカバラ
好きの占い師ぐらいのものさ。」

 金吾は有紀にややこしい説明をする事に
なるので、少し話題を変えた。

「なあ有紀・・霊って信じるか?」

「まあ割と霊感は強い方だから、信じてる
方だと思う。」

「日本の場合、悪霊とか怨霊とかいう
マイナスイメージが強いけど、今の心理学世界
ではサイコ・ノエティック・フォームとして
知られている。サイコは感情、ノエティックは
思考。感情と思考を持ったエネルギーの場と
いうか、意識体というか。その総称が霊・・・」

「なるほどね。」
「今から100年前のイギリスにディケンズ
っていう作家がいたんだ。彼は未完の小説を
残したまま世を去った。ところが2年後、
まったく別の人間によって、その小説は
完成した・・・」

 有紀は金吾が何を言いたいのかピンときた。
「作家の霊ね。」

「そうだ。その小説を書いた男は、それまで
何かを書いた事などなかった。女遊びにしか
興味のない若い男だった。ところが夜に
なるとトランス状態になって、文体から
筆跡までそっくりなディケンズの小説を
書いたわけだ。」

「自動書記ね・・・」

「そういう事・・・」

 有紀は若い男に夫のイメージを重ねてみた。

「それじゃあ、エブラとか言う古代の王様の
霊が夫に?」
「まあ、そう解釈するのが妥当なところ
だろうな。」

「何で?」

「さあな。死んですぐのディケンズならわかる
けど、5千年前だからなぁ。彼の前世とも
関わるのだろうな。」

「霊の次は前世か・・・」
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