アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第1章 第1章・妄想回路
「聞くけど、彼は特別に歴史が得意だ
とか、宗教に造詣が深いという事はあ
るか?」
「さあ? 私が知る範囲では、そんな
ことないと思うわ。本棚の文庫本は
アダルトとトラベルミステリーが大半
だったし・・・」
「それでこの内容だとすると・・・十中
八・九、これは自動書記だ。」

「自動書記?」

 金吾は深くため息をついた。
「可愛いそうに・・・」
金吾がポツンと呟いた。

「よほど追いつめられていたんだな・・・
精神的に・・・」
「ねえ、大町有紀、今ここに死すって、
どういう事?」

 有紀は一番知りたい事を聞いた。
「その通りの意味だろう。彼の潜在意識
は、有紀を殺したいほど憎んでいるの
だろう。」

金吾の言葉に、有紀の顔が一瞬こわばった。
「自動書記というのはな、程度の差はある
けど潜在意識の願望なんだ。普段の意識
レベルで押さえ込んでいる欲望だな。
偉くなって人を支配したい、馬鹿にして
いた奴らを見返してやりたいとか。
芸術家や科学者のインスピレーション
比べると、そのレベルは著しく低い・・」

 有紀は携帯を持ったまま、納得して
頷いた。

「普段は適当にストレス解消して、発散
しているわけだけれども、それが出来ずに、
膨大な欲求不満のエネルギーを溜め込んで
いる不器用なタイプもいる。それが何かの
きっかけで、意識レベルまで吹き上がって
来る。まあ、火山の爆発みたいにね。」

「それが自動書記?」

「ああ。普通は攻撃行動になる。暴力・
殺人・テロ・戦争。過剰なまでの批判も
そうだな。その攻撃が内向すると、極端な
禁欲とか小動物の殺害、自殺や心中なんて
事になる。そういうエネルギーが宗教的な
回路に流れると、まるで神からの啓示の
ような、こういう文章になるのさ。」

「それじゃ私、このままだと殺され
ゃうの?」

「いや、まだ大丈夫だと思う。自動書記
ってのは、潜在意識が意識を乗っ取った時
に起きる現象だ。しかもそれが起きたのは
昨日だろ。彼自身、自分に何が起こった
のか、まだ気づいていないはずさ。
ただ・・・」

「ただ?」

 金吾は飲みかけのブラックコーヒーを
ゴクリと飲んだ。


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