長編伝奇小説「アストラルの森」
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第3章 第3章・暗黒のサバト
 松坊主はきっぱりと言った。

「彼らは自身の価値しか認めていない。
だから貴殿の如き悩みは生じない。
自分の価値と相手の価値を比較出来る
のは、貴殿がなんの価値とも対立して
いないからこそ。この差は大きい。」
「そうでしょうか?」
「確かに物事を善悪だけで単純に判断
する事は出来ない。貴殿は彼らの中に、
自分自身に潜む闇を重ねているので
あろう。」
「おっしゃる通りです。私もかつて、
殺意を抱いた男がいます。私の戦闘的
性格は、サディストの性癖に通じて
います。私と彼らの差は紙一重です。
その事を思うと、単純には怒れないの
です。」
 不空は金吾の思いを受け止めた後、
少し話題を変えた。

「創造・建設という行為には、破壊と
いうプロセスが欠かせない。愛や生命
を脅かし、生命を奪うという思想や行動
は、破壊してもよいのではないか?」

「それは独善では?」

「破壊の為の破壊であれば、確かに
それは独善だ。だが愛や生命を不滅の
価値として育みたいと貴殿が望むので
あれば、破壊なしには始まらない。一事
を成すは、一害を除くにしかず・・
という言葉もある。」

「それが戦いの意味だと・・・」

「貴殿がそう思えばそういう事じゃ。
以前チベット密教のカルトが、人の魂
を自在に操るとかぬかして、善意で人を
殺しただろうが。そういう思想こそ
無に帰してやるべきだと、わしは思う。」

「無に帰す・・・」

「左様。しょせん全ての思想は皆幻想の
産物。それが無の意味するところ。」

 松坊主の言葉により、金吾の迷いの
霧は晴れた。金吾本来の戦闘意欲が
蘇ってきた。
「ほれ、本当は戦いたくてうずうずして
おったのだろうが・・・」

「おっしゃる通り。」

「無を認識すれば、霊力は無尽蔵ぞ。」
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