長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第3章 第3章・暗黒のサバト
 同じ頃拓也は、池袋から高速に乗り、横羽線
を猛スピードで疾走していた。

「弥生・・・死ぬなよ・・・」

拓也はただそれだけを念じていた。羽田沖は
晴れていたが、世田谷方面に黒っぽい雲があり、
小雨がパラついて拓也のヘルメットを涙の
ように濡らした。

 拓也は山下町の救急病院に駆けつけ、担当の
看護師から容態を聞いた。刺された傷は幸いな
事に動脈や静脈を傷つけておらず、手術は成功
したという。だが心臓が若干弱っている為、
予断を許さない状態だと言う。まだ意識は回
復しておらず、今夜が峠だろうという事だった。
 拓也が看護師に案内されて病室に入ろうと
した時、真梨が到着した。固い表情だった。
2人は集中治療室隣の個室に案内された。
弥生はここで酸素吸入を受けていた。看護師が
ベッドサイドに立って、心電図などの計器を
チェックしていた。脈が不規則に乱れていた。

 真梨はベッドサイドのパイプ椅子に座り、
腹の上に乗せていた弥生の右手を取り上げて
そっと両手で握った。

「絶対に死なせたりしないからね・・・」

真梨は小さく呟くと、目を閉じて弥生の
気の流れを把握した。各チャクラとも衰弱
していた。真梨は各チャクラに、自分の
生命気を送り始めた。自分のオーラで弥生の
体をすっぽりと覆い、弥生の体を自分の体
として感じ、治癒していった。

 拓也は側に立ったまま、2人をじっと
見守っていた。しばらくすると心電図に変化
が現われた。さっきまで不規則で弱々しかった
脈拍が、少しずつ規則的になっていった。
さらに、苦しそうだった弥生の表情が、心
なしか和らいでいるようだった。拓也の暗く
重たかった心に、一条の光が射し込んだ。

━助かる・・・━

拓也はそう直感した。

「頼んだぞ、真梨・・・」
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