長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第3章 第3章・暗黒のサバト
 金吾は転法輪印を組み、再び霊縛呪の
真言を唱えた。次に外五鈷印という
蓮の花のような印を結んだ。

「ノウマクサラバタタ・ギャテイヤク
サラバ・タタラセンダ・マカロシャケ
ンギャキサラバ・ビキナンウンタラタ・
カンマン」

金吾は流れるように、黒い霧が吹き払われて
いく様子を観じながら真言を唱えた。


さらに6番目の諸天救勅印を結び、「オン
キリウンキヤクウン」と唱えた。
最後に両手を外側でがっちり組む外縛印を
結び、不動明王真言を唱えた。
 金吾は不動金縛りの法の段取りを全て
終えた後、ゆっくりと目を開けた。額には
うっすらと汗が滲み、全身に脱力感があった。
全霊力を投入した感じがあった。金吾は炎を
消した後、這ってベッドまで行き、大の字に
なった。体がベッドに吸い込まれてゆくよう
だった。さすがの金吾も、霊力の回復まで
にはしばらく時間がかかりそうだった。

 夕方、白川義雄は自宅7階のマンションの
仕事場で、依頼された税務処理の仕事をして
いた。白川は世田谷の地下ホールにいた、
細身の男である。彼は午後4時過ぎから、
ひどい偏頭痛に襲われていた。鎮痛剤を4錠
も飲んだが、痛みは一向に収まらなかった。

 白川は地下室のサバト(悪魔崇拝の夜宴)で、
極限にまで高められた興奮を味わった。しかし
日常の生活に立ち戻ると、地獄の炎に焼かれる
ような悔恨の情に苦しめられた。人を傷つけ
殺す事は、よくない事なのではないかという
良識が、心の隅にまだ残っていた。だが地下室
に入って長衣を纏い、少女の全裸姿を目にすると、
苦痛に歪む表情を見、叫び声を聞かずにはおれな
かった。白い肌から流れる血の匂いが、たま
らなく好きだった。

 白川がパソコンをオフにして、ふと青黒く
なった画面を見ると、そこに天井から吊るされた
少女の全裸姿が映っていた。少女は乱れた長い
髪の毛のまま、ニヤッと笑っていた。白川は目
を閉じたり、頭を振ったりした。だが白川の
瞼の底から、その映像が消える事はなかった。
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