長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第3章 第3章・暗黒のサバト
 金吾は何となく、この事件の背後にも
パラフェリア事件と同様の意識が関与
しているような気がした。あるいは
後催眠の実験かもしれない。そんな閃き
があった。奴らが本気ならば、通り魔を
製造する事くらい簡単に出来る。

━社会を混乱させ、恐怖を撒き散らした
後に救世主の出現か・・アホくさ。━

 金吾は評判のラーメンを堪能して、
店を出た。高層ビル群の明かりが美しく
輝いていた。

「バベルの塔・・か。」

東京都庁が建設された当時、そんな表現
で揶揄された事がある。金吾は都庁の
ビルを見上げ、深いため息をついた。

 深夜、金吾が自宅マンションに帰宅
した頃、古内は世田谷の屋敷の地下に
いた。留美の死体遺棄が、古内に与え
られた任務だった。彼は平服のまま、
2本の燭台に灯された蝋燭の明かりの中
で、留美の死体を天井から降ろした。
全身の血液を地面に吸い取られ、生臭い
血の匂いが地下ホールに充満してい
た。
 古内は手術用の手袋をして、ひから
びて青白い留美の死体をゴルフバック
に詰め込んだ。そして左肩で背負い、
屋敷の上まで運び上げた。玄関には麻生
が立っていた。

「ご苦労。あと4人で聖なる結界が
出来上がる。来月までには完成させ
ようぞ。それというのも、汝のような
優秀なる戦士があってこそ。ますます
励むがよいぞ。」
「ははっ、御教主様。神の栄光ある
仕事に参画出来ます事、この上ない幸せ
であります。ではこれより出発いたし
ます。」
「うむ・・・神の御加護を・・・」

 古内は車の後部座席にゴルフバッグを
無造作にほおり込み、カーナビを練馬区
光が丘公園にセットしてから車を発信
させた。古内の車は深夜の環状8号線を
北上した。八幡山から荻窪を経て光が丘
公園に着くと、徐行しながら周囲の様子
を観察し、最も人目につかない場所を
探した。街灯の届かない死角に車を止め、
ゴルフバッグを取り出して植え込みの
中に入り、バッグの中身を引きずり出し
て遺棄した。古内がそれから車を発進
させるまで、僅か1分あまりの出来事
だった。

 翌早朝、老人と共に散歩していた犬が、
異臭を嗅ぎつけた。僅かな血の匂いに反応
した犬は、興奮して老人を留美の遺体まで
引っ張っていった。仰天した老人が警察に
通報。朝の光が丘公園は、第3の吸血鬼
殺人事件に接して殺気立った。
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