長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第3章 第3章・暗黒のサバト
 金吾は鬱陶しい気分を抱えたまま、塩森
と別れた。闇のパワーを引き出す為の結界。
それを少女の死体で形成する。塩森ならでは
の推論だった。
宗教的犯罪と呪を理解出来ない者たちは、
忌わしい犯罪に顔をしかめはするものの、
呪を迷信と笑い飛ばすだろう。だが呪とは
念の力と言葉やシンボルの持つ暗示力。
精神的エネルゲイアが凝縮したものである。
念を意識で凝縮すれば、そこには創造作品
が現われる。だが妄執や怨念といった感情
が凝縮すれば、呪いや祟りといった怨霊が
現われる。

 そうした念ずるパワーを高める為に、
宗教では祭壇や儀式的所作、炎や法具を
用いて集中する環境を整える。光を
イメージしようと、闇をイメージしよう
と、念のパワーに変わりはない。それだけ
にソロモンの護符による念の結晶化を無視
する事は出来なかった。

 金吾は密教を習得していた。密教の膨大
な体系の中には、百神を自在に操るという
実践的技術も存在する。不空や空海などの
歴代密教僧は、呪の絶大なる効果を実証
する為に、龍神を操って雲を呼び、雨を
降らせて見せるというパフォーマンスも
行っている。呪の第一人者である不空など
は、雨を降らせ過ぎて洪水を起こしたと
いう史実まである。

「呪には呪をもって報いよ・・か。」
 金吾は拓也がもたらした情報をもとに
遠隔透視を行い、かなりの確度で聖東方
騎士団を霊視していた。その霊視は、
主要メンバーの前世にまで及んだ。
彼らはもれなく第1回からエルサレム
奪還の十字軍に参加していた。また、いつ
の時代でもキリスト教系の秘密結社に属し、
ゆるぎない信念体系を持って生きていた。
魔女や異教徒の弾圧も、一度や二度では
なかった。

 今の時代、彼らの呪に対抗出来る呪を
使いこなせるのは、自分以外にあまり
いないだろうとは思っていた。だがいま
ひとつ本気になれなかった。出来れば
悪魔崇拝などという馬鹿な連中とは、
関わり合いになりたくなかった。ど
の道自滅するのが因果の法則なのだ。
そう思うと、本来の戦闘意欲も半減した。

 金吾は西新宿のラーメン屋に立ち寄り、
夕刊を見た。通り魔が包丁で女と子供たち
を次々に刺したという事件が載っていた。
犯人は包囲され、警官に取り押さえられ
たが、その時彼は神の言葉とか言う意味
不明の事を叫んでいたという。
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