長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第3章 第3章・暗黒のサバト
 がっしりした男は裁断用のハサミを持ち、
留美の服を無造作に切り裂いていった。細身
の男はすりこぎのような棒の先に布を巻きつけ、
松明を作っていた。がっしりした男は留美を
全裸にすると、次に石灰の入った白線引きを
持ち出し、留美を中心とする半径2メートル
ほどの円を描いた。さらに円の内部に、三角形
と逆三角形を加え、ソロモンの護符とも言わ
れる六芒星を描いた。細身の男は三角形と円の
接点6箇所に松明を刺してから火をつけた。
とたんに黒いホールが明るくなり、留美の裸身
が炎に揺らめき、赤黒い地面が鮮明になった。
 
 もともとこの黒いホールは、江戸時代後期に
この土地に住んでいた農家によって掘られた
ものだった。隠し米や野菜を貯蔵しておく為の
「室(むろ)」だった。明治の終わり頃、この
土地は中川権三という者が買い取った。中川は
温厚な仮面の下に、サディスティックな性癖を
隠し持っていた。権三は使用人の懲罰の為に、
この室を利用した。権三に責め抜かれて衰弱死
した女たちは、10年間で8人にのぼった。
権三は室を拡大し、遺体を地中深く埋めた。

 権三とその家族たちは、大正の米騒動の際、
便乗した暴徒の手にかかって皆殺しにされた。
暴徒の首領は、権三の手にかかって無念の死を
遂げた女の兄だった。彼は犯行の後、現場で命
を絶った。
 時は移り太平洋戦争中、中川家の土地を
買い入れた大山家は、この室を防空壕として
利用した。当主の大山義助には、男子が3人
いた。長男と次男は相次いで戦死。3男の
満義だけが、九死に一生を得て南方戦線から
帰還してきた。満義が帰還して間もなく義助が
原因不明の高熱を発して急死。当主は満義に
なった。

 戦後の食糧難の時代、満義のもとにも食料
を求める者がやって来た。最初のうちは生真面目
に衣服などと交換していたが、ある若妻に
出会ってから、満義は眠っていた欲望に目覚めた。
満義は食料交換の条件に若妻の体を求めた。
意外と簡単に交渉が成立した。
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