長編伝奇小説「アストラルの森」
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第3章 第3章・暗黒のサバト
 ここには銭湯の脱衣所と同じような棚があり、
古内が着る長衣が置いてあった。彼は全裸に
なって長衣だけを纏った。そして洞窟右隅の
カーテンをめくってさらなる引き戸を開け、
体をその奥の空間に滑り込ませた。その奥の
空間は、高さ2・5メートル、奥行き20
メートルほどの、やや広い洞窟になっていた。
小洞窟同様、地面は土が剥き出しのまま。壁や
天井は吹き付けコンクリートに黒い塗料。
引き戸の反対側、つまり一番奥には、左右2基
の燭台と祭壇があり、蝋燭の炎が妖しく揺ら
めいていた。祭壇の前には、紫の長衣を着た
初老の男が、椅子に座っていた。麻生だった。
麻生の左右にはさきほど2人の男が立ち、
留美は地面に転がされていた。

 古内はゆっくりと祭壇に向い、歩いていった。
黒いホールには、かび臭い匂いと地面から立ち
上る生臭い血の匂いが混ざり合っていた。その
匂いが古内の脳髄を刺激し、眩暈にも似た興奮
状態を作り出していた。

 古内は麻生の前にひざまずいた。
「御教主様・・・神への供物、持参
いたしました。」

麻生は無言のまま、古内の頭に掌を乗せた。
古内はそれだけで感極まって涙ぐんだ。

「ではこれより、神聖なる儀式を執り行う。
準備せよ。」

 麻生は左右の男を見て目配せした。2人
はまず、留美を地面に仰向けに寝かせてから
両腕をバンザイさせ、両手首を合わせて
登山用のザイルできつく縛った。細身の男が
脚立を用意してザイルの端を持って登り、
天井を貫いている鉄骨に通した。がっしり
した男が留美の体を持ち上げた。留美は天井
から吊るされ、固定された。留美の踵が、
少し地面から浮き上がった。

 古内は留美が吊るされる様子を見守りながら、
ヨハネ黙示録の一節を朗じた。

「わたしはこの女に悔い改めるおりを与えたが、
悔い改めてその不品行をやめようとはしない。
見よ、わたしはこの女を病の床に投げ入れる。
この女と姦淫する者をも、悔い改めて彼女の
わざから離れなければ、大きな艱難の中に
投げ入れる・・・」

古内は自己陶酔して、恍惚の表情を浮かべて
いた。
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