長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第1章 第1章・イナンナ
心地よい眠気がスゥーッと真梨を包んだ。それから
しばらくして、真梨は半ば睡眠状態の中で、背骨の
付け根辺りに、チリチリと電流が流れているような
感覚を味わいはじめた。そのチリチリ感は次第に熱
を帯び、渦を巻き、下半身全体に広がっていった。
真梨は体の異変に気づき、体を起こそうとしたが
だめだった。声も出なかった。性欲ではない。
今までに体験した事のない、ショッキングな感覚
だった。
 下半身の熱さを感じながら、真梨の意識は奇妙な
事を連想していた。

「銀河・・・」

真梨は自分の下半身に、突如としてミニチュアの
銀河の渦が出現したような気がした。その渦からは、
確かに熱と光、そして何より圧倒的な生命力が感
じられた。そしてそれはじわじわと真梨の背骨を
伝って上昇し始め、腹や胸も熱と光の渦に包まれて
いった。

 真梨は呼吸が止まりそうになり、恐怖で
いっぱいになった。首から下に体の感覚が
無かった。

「死ぬって、ひょっとしたらこういう事?」

真梨は自分の存在が溶けて無くなってゆく感覚
を味わい、絶望的な気分になった。真梨は自分
の肉体的感覚を取り戻そうとあがいた。
「恐れる事はありません・・・」
その時確かに、真梨は声を聴いた。

「恐れる事はありません。安心してその感覚
に身をまかせなさい。」

 真梨は冷や汗が滲む額の奥で、成熟して
落ち着いた感じのする女性の声をキャッチ
した。真梨はその声の主が、十分に信頼
出来ると直感した。それにひどくなつかしい
感情が湧いてくる声でもあった。

「誰?」

真梨は無言のまま、意識を発信した。

「私はイナンナ。遥かなる時空の海で、
あなたと共に生きる者。」
「よくわからないわ。」
「あなたは今、変革の時を迎えています。
私はそれを導く者。」
「センセイ・・みたいなもの?その赴任の
ご挨拶?」
「ふふっ・・まあ、そんなものね・・・」

 真梨は奇妙な納得の仕方をした。すると
意識から緊張感が消えた。胸の辺りまで
昇っていた熱と光の渦は、喉を熱くし、
額の奥から頭頂へと上昇していった。

「温かい・・・」
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