長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第1章 第1章・イナンナ
「それでさらっと、父母を敬えか。」
「俺もうっかり無視して通り過ぎるところ
だった。もっと難解な教義の方が
高度に思えるからな。」
「殺すなかれって事は、殺しは本来快楽・・・」
「だろうな。お前ガキの頃、虫とか殺して
遊ばなかったか?」
「とんぼに糸つけて飛ばしたり、カブトムシ
とクワガタの勝負とかやったけど。」
「田舎どこだっけ?」
「静岡の奥地。」

 拓也は目を閉じて、過去の記憶を手繰り
寄せていた。
「俺はやったよ。蟻の巣に灯油かけて火を
つけたり、輪ゴムで壁に止まった蝿を射ち落とし
たり。蝿がぐしゃっと潰れた時には、ちょっと
したハンティングの快感があったなあ。それって
さあ、弱い者いじめって感じではなかったと
思うよ。」

「映画の中でなら、主人公が悪役をブッ殺しても
いいわけだろ。ラストで悪の親玉が惨たらしければ
惨たらしいほど、拍手喝采。あれは日頃俺たち
観客が抱えている欲求のカタルシスだよな。」
「暴走族の取り締まりの映像見てると、バズーカ砲
一発で決めろよとか思うもんなぁ。」
「おい金吾・・・お前本当は俺より過激なんじゃ
ないのか?」
「かもな・・・」

 金吾はカラカラと笑った。
「コリン・ウィルソンっていう作家はな、セックス
と殺しの密接な類似性に
ついて指摘している。殺す者と被害者の関係は、
セックス中の男女と同じよ
うなものだと。」
「ほおぅ・・・」
「ナイフを肉体に突き立てるという行為は、ペニス
を挿入する代償行為なんだとさ。」
「女のオーガズムは一種の死とも言うし、男がイク
寸前に女の首を絞める例も多いしな。苦痛に歪む
表情がタマらんのだとさ。」
「中央公園のパラフェリアもネクロフェリアも、
基を辿れば性倒錯さ。」
「おっ・・ここで話が繋がったか・・・」
 拓也は煙草の灰がカウンターに落ちた事にも
気づかなかった。
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