長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第1章 第1章・イナンナ
 拓也は1957年制作のアメリカ映画の超大作
「十戒」の解説書にざっと目を通した。監督の
セシル・B・デミルは、この映画の構想・企画
・制作に10年の歳月を投じた。主演はモーゼの
チャールトン・ヘストン。ラムセス2世にユル・
ブリンナー。

「アン・バクスターっていい女だよな。乳の
大きさといい・・・」
「犯罪心理を突きつめていったら、これに
突き当たった。」
 金吾はアーモンドをひょいと口にほおり
こんで、ポリポリかじった。
「ふーん・・・汝の父母を敬え・・か。
こんな道徳の教科書みたいな文句の
どこがすごいんだ?」
「ふふっ。さすがにいいところに気がついた
ねぇ。」
 金吾は含み笑いを浮かべながら話を続けた。
「神であるヤハウエが人間に命令してるんだ。
あれはいかん、これはするなと。聖書原理の
大原則は、神が世界を支配し、人間が絶対
服従する関係にある。」
「ああ。その代理人とか言う司教や牧師も
デカいツラしてるよな。」
「でな、話は飛ぶが、そもそも法律って
やつは何だ?」
「人間社会でやっちゃイカン事を決めた
ルール・・か?」
「そうだ。禁止しておかないと、人間は
必ずや実行するであろう事柄が書い
てあるのが法律だ。逆に言うと、本来人間は
これこれこういうものだと読める。」

 拓也はそれを聞いてハッとした。
「すると・・・人間は本来、父母を敬ったり
しない・・・」
「そうだ。」
「人間は本来、殺しや姦淫を好む。」
「そうだ。禁止されている行為というのは、
本来ものすごく魅力的なもののはずだ。」
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