長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第1章 第1章・イナンナ
2人は青梅街道を歌舞伎町方向に歩き始めた。
大ガードを抜け西武新宿線の駅の脇から
歌舞伎町に入り、地下にある馴染みの酒場の
ドアを開けた。店内は地上の猥雑さが嘘の
ような、隠れ家の趣があった。床も壁も天井
も全てこげ茶色の板張りで、オールド
ファッション的装飾品が置かれていた。2人は
カウンターに並んで座り、キープしてあるボトル
を注文した。
「弥生にな、真梨を守ってやれと言われてな。」
「そりゃそうだ。」
「俺、皆様のような特殊能力なんて無いよ。
オーラも見えないし・・・」
「そうでもないだろ。ナンパは相手の感情やら
心理を瞬時に察知しないと
なかなかうまくいかんのではなかろうか?」
「まあ、そうだな。」
「それが気を読む力だ。」
「そんなもんか。」
 拓也は氷を満たしたグラスにウイスキーを
トポトポ注ぎ、グイッとひと口飲んだ。

「それに真の霊力ってのはな、魂の力だ。」
拓也は思わず目を丸くした。
「弥生も同じ事言ってた。」

「彼女、元気か?」
「ああ。あんなインド風美人から、お前が師匠
と呼ばれてるとはなあ。」
「いいだろう。」
「うらやましい。」
 拓也と金吾の話は弾んだ。店内にはレイ
ブライアントの渋いブルース・ピアノが流れ、
程よい音量で響いていた。まだ夜も浅いせいか、
店内に客はまばらだった。
「ヤハウエという神がモーゼに十戒を与えた
だろ。あれはさすがにすごい。」
金吾が言った。
「今日レンタル屋に返そうと思って持って
たんだけどな。」
金吾はそう言いながら、映画「十戒」の
DVDの解説書を拓也に見せた。
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