長編伝奇小説「アストラルの森」
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/24
最終更新日:2011/02/23 21:17

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長編伝奇小説「アストラルの森」 第1章 第1章・イナンナ
第1章・イナンナ<3>

 その死体が発見されたのは、新宿中央
公園だった。未だ成熟しきらぬ少女の全裸
死体が、植え込みの奥に無造作に打ち捨て
られていた。みみず腫れのような外傷も多く、
暴行をうけた形跡が歴然と残っていた。
しかもその死体が異常だったのは、体内の
血液がほとんど抜き取られていた事だった。
 深夜の新宿中央公園が、数十台の警察車輌
の非常灯で真っ赤に染まった。
夜明け頃にはテレビ各社の中継車が、
スタンバイを完了していた。朝のワイドショー
では、現代の吸血鬼として、この猟奇殺人を
取り上げた。

 マスコミによる一連のお祭り騒ぎが
収まると、人々はさっと散っていった。
その日の夕刻、拓也は取材用のバッグを
肩に、コンビニ袋を片手に下げて、
新宿中央公園にやって来た。ベンチに座り、
その日の夕刊に目を通していると、同じ
年恰好の男がやって来て拓也に声をかけた。
「よう、ナンパの天才。」

 拓也は新聞をたたみ、声の主を見た。
「おう、インチキ占い師。」
彼の名は神林金吾。ネットとメルマガの
サイトが結構好評だった。自称「癒し屋」
と言っている。
 金吾は拓也の隣に腰掛けた。
「しかしなんだなあ。このところ続くなあ、
この手の殺しが。」
拓也がコンビニ袋から弁当を2つ取り出し
ながら言った。
「パラフェリアだろ。血を抜くのが好きな
いかれた奴さ。奴らかな。」
「弁当食いながらする話じゃないよな。
今評判のアジア風鶏のから揚げ弁当だぜ。」
「おお、こりゃかたじけない。ちょうど腹が
減ってたところだ。」
 2人はしばらく黙って弁当を食べた。
食べ終わると拓也は、袋から缶紅茶を取り
出した。
「ストレート・ティか。相変わらずのこだわり
だな。」
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