りある・ふぇいす
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発行者:てきーら
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ジャンル:青春・友情

公開開始日:2011/03/17
最終更新日:2011/03/17 20:02

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りある・ふぇいす 第1章 アキバでびゅー
アキハバラに来て三ヶ月。電気製品の安い街・パソコン街から、“萌え系の街”“オタクの聖地”へと進化したこの不可思議なエリアで、俗世間では溶け込みずらそうなオタクを相手に言葉を交わすのは、まさに驚きの出来事であった。
「き、今日はね。びっ、美少女せ、セクシィ物語のメイドロボットい、壱号のヤヨイちゃんのふ、フラッシュ画像を、をね…」
黒い太縁眼鏡を掛けた色白の肥満気味の男が、しどろもどろな口調で、今人気の美少女アニメの話題を持ち出してくる。
「わぉ。よかったですねぇ。ワタシにもその画像見せてくださいヨ」
りむは、そんなオタクの男の話に対し、まるで興味があるかのようにえくぼを頬に作り、しかし、内心では
(いったい何が愉しくて、ニヤニヤ嗤いなんかしながら私なんかに‥)
と、つい懐疑に駆られてしまう。
(ダメ、ダメ。ワタシは今ここの場所では佳奈じゃなくて、メイドカフェ「ラブ・たいむ」の“りむ”なんだから‥)
何とか自分で自分にそう言い聞かせ、無意識のうちに引けてしまいそうになるりむの笑顔を意地でも保とうとする。
「行ってらっしゃいませ、お嬢様」
さっき、キッチンでりむをちょっぴり叱ったチリカが丁寧に、お店を出ていこうとするお客に深々と頭を下げているところであった。
(いいなぁ、チリカ先輩は。カワイイし指名もたくさんあって)
クラスで優等生の人気ある子を羨ましがるように、りむは心の中で密かに、彼女に思いを馳せていた。
「そ、それから同じび、美少女セクシィ物語のめ、メイドロボット弐号レイのど、ドキドキ着信もね…」
色白の太った眼鏡男の好奇心に満ちた視線が、りむの表情にひたすら降り注ぐ。この男のニヤリとした面(かお)には、卑猥な感じさえ漂ってくる。
「えーっ、2つも。スゴォーイ」
唇の辺りを手で覆い隠しながら、りむの表情は笑う。けれど、佳奈のほうは笑ってはいなかった。
秋葉原駅から出てすぐ二百メートル弱の中央通り沿いに、彼女の通っているメイド喫茶「ラブ・たいむ」はある。近くには万世橋があり、どぶ臭い神田川が澱んでいる。以前、電器店が集まっていた駅前のラジオ会館のビルのメイン広告看板のスペースが、現在はアニメDVDの告知となっている。今やコスプレ居酒屋やメイドバーなんていうのも盛んになってきているほどである。
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