隣家の親子から向けられる熱視線は日ごとに強くなっていきました。
それはまるで私の服を透視でもしているかのような鋭い視線でした。
なんでそんな目で私のことを見るの・・・。
私はだんだん恐くなっていったのです。
隣の家の親子が私をどんなふうに見ているのか、なにを想像しているのか、
それが日ごとに何となく分かり始めるにつれて、
何をしたわけでもないはずなのに、
隣の親子に見られることが恥ずかしくなっていったのでした。
そしてその恥ずかしさはある種の快感でもあったのです。
夫からは向けられることのない熱い視線。
私のことを強く想っているような眼差し、
それらは夫に満たされない日々を送っている
私の胸の奥に潜んだ感情を刺激するのでした。
そして、毎朝ただ隣の親子と挨拶を交わすだけでドキドキし、
心の中では、もっと私を見て!と叫んでいる自分がいました。
そんなある日のこと、私はなぜ隣の親子があんなにも
私に意味深な眼差しを向けてくるのかを知ることになったのです。
それはある晩のことでした。お風呂に入っている時に、
開いた窓の向こうからなぜか鋭い光のようなものが
全身に浴びせられているように感じたのです。
鋭い光は窓の外の暗がりの向こう、
そう隣の家の二階の方から発せられているようでした。
もしかして・・・。
私は体が金縛りにあったかのようにシャワーを握ったまま、
しばらく動くことができませんでした。