近年、高校野球が変わっています。12年
夏の甲子園では、48試合で56本塁打が飛
び出しました。投手は140キロを投げ
るのが当たり前。打者は一発長打が打て
る。技術の向上は著しいものがあります。
ところが、その一方で軽視されている
のが走塁面です。指導者も選手も、打つ、
投げる、捕るという部分ばかりに目が行
き、走る部分がおろそかになっている。
ただ単に足が速くて盗塁をしたり、東海
大相模や東海大甲府のようにエンドラン
を多用するチームはあっても、ベースラ
ンニングや打球判断など“走塁”にこだ
わっているチームはほとんどありません。
「ウチは走塁にこだわっています」と言
っていても、「えっ!? どこがですか?」
というレベルばかりです。スタンドから
見ていても、目に見えない、記録に残ら
ない走塁ミスで得点を逃しているケース
は本当に多いと感じます。強豪校は三塁
でストップしても、その後にタイムリー
が出ますから、ミスは大きく響きません。
でも、弱者は違います。何としても、
「二塁から一本で本塁を取る」。この意
識が大事なのです。
では、具体的に何秒でホームに還ればいいのか?
実際の過去の甲子園大会の数字を用いて、
基準を次の章から紹介していきます。