大根と王妃~名残恋の思い人~
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発行者:大雪
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/01/31
最終更新日:2015/09/15 01:43

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大根と王妃~名残恋の思い人~ 第1章 噂話
「お仕置き決定かな~」

 かな~ではなく、鞭打ち決定だ。
 しかしそれを認めたくない。
 大戦時代は鞭を操り敵を殲滅していた明燐。
 軍でも五本の指に入る鞭裁きは見事の一言。
 しかし、何故か他の鞭使いとは違い、明燐を見た者は誰もが彼女を女王様と呼んでいた。

 そして次に続く言葉は

『下僕にして下さい』

 ゲボクって何?

 そんなあどけない時もあったな~と現実逃避しつつ、果竪は後宮へと重い足取りを進めていった。

「え~と、此処からの方が近道よね」

 右に曲がり左に曲がり、まっすぐ進んで再び曲がる。
 それを繰り返すと、城の中庭に出た。
 そこは、一般に開放されたエリアにある正門から最も近い建物の陰だった。

「あれれ? 間違えた?」

 後宮に向うはずが、どうやら正反対の正門付近に出てしまったらしい。
 この王宮が建ったのは、国の建国とほぼ同時期。
 有事には、王都や近隣の町の者達を収容出来る様に作られている為か、馬鹿みたいに広い王宮の敷地内には、やはり沢山の建物が建つ。
 しかも、奥に入れば入るほど道は複雑になる上、王宮建築士門外不出の強力な惑わしかつ目眩ましの構造となっている。
 果竪は王妃な為、その構造に惑わされない術を持っているが、道の複雑さから単純に今でも道に迷う事がある。

「えっと……戻るか」

 後宮から出るなと言われているのに、正門近くまで来てしまった事がバレれば明燐のお仕置きは軽く三段階は上がってしまう。

 慌てて踵を返し歩きだそうとした――その時、果竪は宮殿の方から歩いてくる女性達を見つけた。
 煌びやかな衣装も素晴らしいが、何よりもそれを身に纏う女性達自身の美しさに目を奪われた。

 男性であれば、思わず立ち止まり心奪われる事は間違いない。
 だが、果竪はその女性達に見覚えがあった。
 そう――以前、まだ建国して間もない頃に萩波の側室候補として目通りした貴族の姫君達だと思いだし、果竪は思わず足を止める。

 出来れば会いたくなかった。
 当時自分はヴェールを被っていたので、顔を見ても王妃とは気づかないだろう。
 しかし、声を出せば気づかれてしまうかもしれない。
 果竪は女性達の進行方向を塞がないように横にずれ、高位のものに対して行う礼を取る。
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