大根と王妃~名残恋の思い人~
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発行者:大雪
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/01/31
最終更新日:2015/09/15 01:43

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大根と王妃~名残恋の思い人~ 第3章 哀しみの朝
 と同時に、此処に居るのが自分達だけで良かったと思う。
 何時もなら室内に居る他の上級侍女達は、萩波の訪れと共に退出させており、萩波を追いかけてきた官吏や武官達は控えの間にさえ入れず、廊下で佇んでいる。
 無論入る事も出来るが、入れば王の鉄槌が待っていて入る馬鹿はいない。
 特に、一ヶ月もの間離れ離れになっていた妻との逢瀬を邪魔すれば、半殺しではすまないだろう。

 だから、果竪の部屋にいるのは、部屋の主である果竪を除けば、明燐と茨戯、宰相、そして萩波だけだった。

 しかし、何時もなら温かな雰囲気が漂う室内は極寒ブリザードが吹き荒れている。

「果竪……一体どうしたのです?」
「別に何でもありません。それより、陛下が此処にいらっしゃるという事は反乱は収まったという事ですか?」
「え、あ、その……一応は」
「では、その件についての報告と雑務もありましょう。このように妃の部屋で時間を潰ししている暇などありません。すぐにとりかかり、反乱にて被害を負った方々への全面的な補償の開始と、反乱に関わった者達への裁きにお入り下さいませ」

 そう言うと、優雅な動作で家臣の礼を取る。
 王妃も王の家臣。そう言われているかのようだった。

 だが、明燐達はその優雅な動きと口上に目を見開き、萩波は更に泣きそうになる。

 果竪を王妃に相応しくない落ちこぼれと称する者達は未だに多い

 しかし、この民を思う気持ちは正しく王の妻に相応しいではないか

「私もできる限り、いえ、今回の反乱の後始末において尽力を尽くす事をお約束致します。ですから、どうか今すぐ王としての責務を御果たし下さいませ。今こうしている間にも反乱で傷つき苦しんだ民達の為にも!!」

 強い眼差しに囚われたのは、萩波だけではなかった

「陛下」
「……わかり……ました」

 ポンっと、宰相に手を肩におかれた萩波は項垂れた。
 無敗と名高い萩波をこうして負かすことが出来るのは果竪ぐらいであろう。

 そして……女に溺れ国を傾ける王が多い中、その女こそが王を政務に引っ張り出すなんて光景に、廊下で手持ちぶさたてなっていた者達がホッと溜息をついた。

 彼等は皆、大戦中に萩波達と共に戦った仲間達。

「お早いお戻りで安心致しました」

 そう……果竪さえ居れば、萩波は生涯賢君としてその名を残すだろう。
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