大根と王妃~名残恋の思い人~
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発行者:大雪
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/01/31
最終更新日:2015/09/15 01:43

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大根と王妃~名残恋の思い人~ 第3章 哀しみの朝
「萩波……」
「ああ、果竪!よく顔を見せて下さい!」

 萩波が自分を抱きしめる中、果竪は茫然としていた。

 この状態は一体なんなのだろう?

 昨日の様子を考えると、まず萩波が此処に来る事自体がおかしい。
 愛しい女性を腕に抱き奥へと消えた夫。
 普通であればその女性と離れがたく今も共に過ごしている筈であり、こうして正妻のもとに来る筈がない。

 果竪はポンポンと萩波の頭を叩く。
 続いて、白磁の様に艶めかしい肌を触り、胸元に触れる。

「…………」
「果竪……」

 久しぶりに会った夫を誘っているかのような果竪の行動に、様子を見ていた茨戯と明燐がギョッとする。
 また、遅れて室に入り丁度その光景を目の当たりにした宰相は文字通り固まった。

 ただ一人、萩波だけが頬を赤らめ妻の誘うような手つきに身悶えた。

 こんな朝から

 いや、朝だろうと関係ない

 そんな溢れる欲情に気づいた宰相と茨戯、明燐はすぐさま果竪を狼と化していく萩波から引き離そうとした。
 このままでは果竪は喰われる。

「お兄様」
「明燐」
「行くわよ、二人とも」

 それぞれに頷きあうと、素早く配置につく。

 だが、そんな事には気づかない果竪はただひたすら萩波の存在に混乱していた。

 触ってみたが夢ではない。
 これは紛れもなく萩波である。

 なんで?

 どうして?

 あの女性と一夜を過ごした筈なのに

 既に果竪の中では、萩波とあの女性が一夜を共にした事が決定されていた。

「あの」
「どうしました?」

 萩波が優しく果竪の頬に触れる。

 全く何時もと変わりない様子に、果竪は訝しく思う。
 まるで女性の事なんてなかったかのように振る舞う夫。

 自分はこんなにも悩んで……泣くほど苦しかったというのに。
 全然いつもと変わりない夫に、果竪は何だかどんどん腹が立ってくる。
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