大根と王妃~名残恋の思い人~
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発行者:大雪
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/01/31
最終更新日:2015/09/15 01:43

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大根と王妃~名残恋の思い人~ 第3章 哀しみの朝
「茨戯」
「あらあら! 元気がないって聞いてたから心配して来てみたけど、そうでもなさそうね」

 性別は確かに男なのに、見た目は大輪の薔薇の様な艶やかな美女。
 その華やかさも妖艶さも相変わらずだと、果竪は茨戯を見た。
 彼も、萩波について反乱阻止に向った一人である。

 但し、彼は将軍としてではなく、萩波が持つ影の集団の長としてだ。
 仕事上は女性として振る舞う事もあるが、仕事以外でも女装は必須な上、下手な女よりよほど女らしい仕草はもしや彼の趣味と言っていいだろう。

 そう――彼はオカマと呼ばれる種類の人物だった。
 そしてオカマであるがゆえに、身繕いには一切の余念がない。

「ちょっと! 何よその衣装は!」
「は?」
「愛しい夫と再会するって言うのにその服装はないんじゃない?! まるで童子よ」

 童子とは言い過ぎだが、女性としての着飾った姿からほど遠い果竪の姿は、平民の少年が身に纏うような服装だった。

「明燐! アンタがついていながらこれはどういう事?!」
「注意はしたのですが」

 それぐらいで聞くようであれば、今頃果竪は着せ替え人形にされている。
 人形のように扱われながらも果竪を人形たらしめないのは、その確固たる意志の強さだった。

「って、ああもう!着替えてる暇がないじゃない!」

 茨戯は聞こえてきた足音に慌てたが、どうしようもなかった。
 お待ち下さいという悲鳴混じりの制止の声も虚しく、廊下を疾走してきただろう足音の主は、勢いよく扉を開けた。

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