イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
キキは、眠りに侵されて以来、自分の居室ではなく、中庭の西側にある離れに移された。

亡くなった事になっている大王妃が、城の中で暮らす姿を見られてはまずいからだ。


主な世話は、眠りに侵されなかった、アルカザの妃ミナンがしていた。












今はだんだんと希望が見えて来ていた。


キキの体を拭きながら、ミナンは何時ものように話しかける。


「キキ様、イルバシットから、また戦士が来てくれました。明日王子達と試合をするらしいです。今度こそ、雪薔薇の王子だといいですね」


ミナンは、大まかな事情を知っていた。

誰かの恨みの心が、この災いの源だ。

しかし、災いをもたらしたのが誰なのかは、未だに分からない。

雪薔薇の戦士が、キキ様を目覚めさせるという話も、ひょっとしたら、トルカザの聞き間違いと言う事だってある。


もう訪れ、何も起きなかったのかも。


不安な気持ちが胸に沸いてくる事もあるが、そんなときは、眠っている夫に手紙を書いて紛らわしている。

アルカザは、目覚めている間に、返事を書いて、長い間、妻と、交流して来た。

王族同士、眠りに邪魔されて、言葉を交わすことは出来なかった。


深い眠りから覚めた頭は、いつも朦朧としていたが、ミナンの書いた手紙の返事は書く事が出来るのだった。


またイルバシットから戦士が来ていると書かれた手紙は、光がさしているように見えるのだった。


長い時間だった。

王子達にとっては、もっと長い時間だったろう。


でも、すべて終わろうとしているんだ。

アルカザは、きっと彼らこそ、彼の憎しみを鎮めてくれる、救世主に違いない。

そう書いて、ペンを置いた。


暗い塔の中では、何日でも起きていられたが、限界を越えると、眠りは容赦なく襲って来た。


この暮らしにもなれた今では、眠りが訪れる前に、塔の上まで登る事にしていた。






彼の父親は、優れた医者だった。






アルカス様は、病で亡くなったのだ。

決して父のせいじゃないのに。


なぜ、追放されなきゃならないんだ。








長い眠りの末にキキは、やっと彼の心にたどり着いた。


キキが嫁いで来た時には、すでに違う医者がいて、彼の父親とは面識がない。
92
最初 前へ 89909192939495 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ