イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
沈黙の日々は、直ぐには終わらなかった。

イルバシットとの関係を心配した王アルカザは、キキがなくなったと知らせを送り、葬儀にはマーキスのみを呼んだ。

眠るような姉の亡骸と、泣き続ける二人の王子の姿に、マーキスは、疑問を抱いたが、微笑むように眠る姉の手は冷たく、その死を認めるしかなかった。

侍女に姉の体を改めさせたが、毒の兆候もなく、傷も痣も無い。

突然眠るように亡くなったのだと王子達が言うのを、信じないわけにはいかなかった。



カザルス大王は、ショックを受け、倒れてしまったままだと言う。


マーキスは大王を見舞ったが、声を掛けても、目を開けてはくれなかった。

突然の姉の死によって、マーキスが持っていたラスカニアへの信頼は、霧の中の泉のような存在となった。

姉ばかりでなく、大王まで。

悪い病気なのか、あるいは何らかの策略に巻き込まれたのか、今となっては、姉の口から聞かなければ、信じられない気分だった。

どうして、父ではなく、自分が呼ばれたのか、どうして姉が倒れた時、知らせてくれなかったのか?

疑問や疑惑が沸いては来ても、微笑むように眠る姉の顔を見ていると、怒りよりも、悲しみが勝って、事を荒立てる気にはなれなかった。



「大王が起きられるようになったら、手紙を下さい。姉がどんな風に亡くなったのか、知りたいのです」

悲しみか、恐れなのか、青い顔のアルカザにそう告げて、マーキスは帰るしかなかった。

ローダは、その話を聞いて、ある考えを持つ。

以前伝わって来たカザルスと策士との仲違いの産物か…


しかし、どうして娘が犠牲になる?

ローダは星読みのガルダ・ビダを呼んだ。

「ビダよ。娘はどうしている?見て欲しい。あんなに元気に帰った娘が亡くなるものだろうか?マーキスの話では、生きるがごとく微笑んでいたそうだ。侍女に体も改めさせたそうだ。毒のしるしも、怪我や痣もない。少し痩せてはいたらしいがな…」


「直ぐに見て参ります。私には、キキ様のお命亡くなった知らせは感じませんでしたが、キキ様の足跡をたどり、確かめて参りましょう」

「頼むぞ、ガルダ。どうか良い知らせを。ラスカニアの今も知っておきたい」


ガルダは、跪き、勅命を意味するトルキを受けると、直ぐさま城門を出た。
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