イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「早かったんだね。君たちはどうやって来たの?」

「お二人のお着替えを用意すると、目隠しをされ、輿に乗せられ、あっという間に宮殿の中に入りました」

「どの位かかったんだい?」

「目隠しの上、くるくる回されて、方向も良く分かりませんでした。気分も悪いくらいだったんですよ」

「リャウドらしくないな。それに、そんな事するなんて、ちょっとひどいよ」


アルナスがそう言うと、リャウドは、いつものサインを送って来た。

黙らなくてはいけない時、周りに誰かがいて、聞かれたく無いとき、送られるサインだ。

いろいろな事を考えて行動しなくてはいけない。

自分だけの利益を考えて行動してはいけない。

いつもリャウドに言われていることだ。

「秘密の道なんでしょう。そんなもの、知らない方がいいんですよ」

アルナスは、聞きたい気持ちを抑え、頷いたが、トルカザは、話を終わらせなかった。

「リャウド。どうしてさ。ラスカニアはイルバシットなんだよ!」

「そうかも知れません。お二人や父君。イルバシットのあなた方の血縁者はそう思っているでしょうね。

でも違う方もたくさんいるのです」



トルカザは、そんな事分かっていると言わんばかりに、頬を膨らませた。

「ご自分だけの利益を考えてはいけません。王子の考えで困る人がいたら、そこから悪い物が生まれることもあるんです。口から出す前に、もっと考えなくてはね。お兄様のように」

トルカザは、仕方なく頷いた。

リャウドは、理屈を言い始めたら、相手が諦めるまで止めないから。

諦めきれないトルカザは、膨れながら下を向いた。

その時、誰かの影が目に入り、見張られているんだと初めて気がついた。

なんだか悲しい。

すごく近い国だと思っていたのに。

おばあ様がいるのに。

でも、不思議と、腹は立たなかった。


「トルカザ、イルバシットの王様が、いってたろう?僕達がずっとイルバシットを大切にして、そして、イルバシットもラスカニアを大切にして暮らしたら、いつか、一つになれる。僕達が変えるんだ」

兄の慰めで、トルカザはやっと機嫌を直した。

「おばあ様にも、見張りの人がいるの?」

それだけは、無いと言って欲しかった。

「無いさ。おばあ様は今も、イルバシットの名前を持っているだろ」


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