イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
まだ冷たさが残る高い空には、虹が二つかかっている。


美しくて、目が離せない。


姉の横を歩きながら、私も一緒に見上げていた。





「おばあ様!見て、二つの虹がかかっている。すごく良いんだよね?」

アルナスが駆け寄って来た。



「そうだ。すごくいいんだぞ」

マーキスは微笑み、アルナスに話しかける。


「誰なの?えらい人?」

「そうだ。君達の父君と同じ、王様だ。それに、君達の大好きなおばあ様の弟なんだぞ」

「えぇっ!おばあ様の弟?でも王様じゃないよ。お父様が王様だもん」


「確かにラスカニアの王じゃないな。でもここは、イルバシット。君達のおばあ様のふるさとだ。私は、イルバシット王、マーキス・ラゴン・イルバシットだ。おばあ様は、イルバシットのお姫様だったんだよ」

「そうなの?おばあ様、じゃあイルバシットもラスカニアなんだね」

大人達は、簡単に理解できる子供の柔軟さに、羨ましさを感じていた。


「そうだな、そうなれたらいいな。君達がずっと、私や、おばあ様の事を好きでいてくれたら、そうなれるかも知れない」

「ふうん。わかった。弟にも言っておくね」

アルナスは強いまなざしをマーキスに向けた。

王となる子供なんだな。

トルカザを見るまで、マーキスはそう思っていた。


アルナスは駆けていく、幼くして、母を失い、一度は心が沈んで病に陥ったと聞いたが、今は、元気いっぱいに見える。

「急な手紙に返事まで、ありがとうございます。あまりに母が痩せたので。読んで安心しました。力は、与えられる物で、奪われるものではないんですね」

アルカザの声だ。

「礼などいらない。父はカザルス様の手紙なら、いつどんな時も、返事を書かずにはいられないんだ。キキが男だったらな。それが父の口癖だからな。その姉の婿殿から手紙がきたんだ、どれだけ喜んだことか」

「父も一緒に旅が出来たら良かったのですが、胸の病が悪くなるといけないので、連れては来ませんでした」


「代々ラスカニアの王は確かに余り体が御丈夫ではないようだ。アルカザ様は違うようで安心だか」

「私は、北の母を持ちましたから。ラスカニアには、そういう言い伝えがあります」

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