イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
そうだった!子供の頃の記憶が蘇って来る。

ここを入ると、宮殿とつながった回廊に出るんだった。

二階建ての一階部分に見えたのは、前門なのだ。

すでに、扉が開かれていて、馬車は青い絨毯の前に止まった。

私は、二人の息子を起こすと、久し振りに、腰を伸ばした。

上の王子アルナスは馬車の窓から、私の背中を見つけ、転げ落ちるように、追いかけてきた。


「父上、どこ行くの!白いお家!きれいだね」

「綺麗だぞ!アルカザンの宮殿より、ずっと贅沢な金の飾り付けがしてある。青い宝石も沢山埋め込まれている。おばあ様の剣に埋め込まれている青い宝石だ」

「うわぁ、真っ白だね!トルカザ!速く起きろ!」

アルナスは馬車に駆け戻り、弟を引っ張り出した。

「兄さん、眠いよ!お母様は?お母様のところでねたいんだ」

「トルカザ見てよ!おばあ様の生まれたお家に入れるんだ。いくつ宝物を見つけられるか競争しよう。すごくきれいなんだって」

「わぁ~!兄さん、負けないよ」

いつの間にか、私は二人に追い抜かされ、駆け出す二人の背中をみることになった。

大人になって初めての、イルバシット王宮サントルキシアの中だ。



天井に張ってある薄く磨き上げられた石から、柔らかい光が射し込み回廊は、驚くほど明るい。

白い石は、イリシャの白紗石、ヒンヤリと冷たい空気をもたらす。

石で象られた動植物の像が置かれ、金の飾り付けがされている。

二人の王子は、走り回り、歓声を上げる。

私は、妻の手を取りながらゆったりと、案内の騎士の後ろを歩く。

母は、騎士とも顔馴染みらしく、すぐ横の扉を開けて、庭に出て行った。

代わって、騎士のイサが、テラスの扉を開けて、口上を述べはじめた。

「ようこそおいで下さいました。今は、イルバシットで一番美しい季節です。空に二つの虹が良くかかります。ラスカニアでも、吉兆だと聞きました。どうぞ、この庭で、イルバシットの自然をお楽しみ下さい」

「なるほど、そう言う趣向か。三つの王家の庭でしたね。じっくり楽しませてもらおう」

母の家の紋章である柊、そして百合と雪薔薇。

それぞれが庭の至る所に植えられ、茂っていた。

ここは、主人を代えながら、ずっとイルバシットを守って来た、国の象徴だ。

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