イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「全く、こんな馬車に乗せやがって…」

そう言い終わる前に、スミルは、欠伸をして眠ってしまった。

リャウドの方は、もうこの眠りを誘う果物のような香りにはなれていて、眠った振りをしているだけだった。

しかし、起きていてもやることがないから、目を瞑る。

イルバシットは、ラスカニアに対して、全く敵意を持っていない。

これからずっと、長い平和を築く事になると、信じている。

王家の付き合いが上手くいっている事にはローダとカザルス、キキの力も大きかった。


こうやって、小さな旅団で旅が出来ることが、もたらされた幸せである。

アルカザも、二人の王子も、ウカの葉の睡眠導入効果で、やがて眠ってしまった。

森が終わる頃には、道の上にあった岩石は片付けられ、馬車が通れるくらいの山道が出来上がっていた。

そして、馬車の通り過ぎた後にはまた、岩石が置かれていた。

石を扱うトルキナス達が、今日は総出で汗をかいていた。

追い詰められたら逃げ場はない、そんな山国だからこそ生み出された地道な防御策だ。

溶岩に守ってもらってこそ、イルバシットは存在出来るのだ。



馬車が止まると、不思議に皆が目を覚ました。

大きな石の城門が開かれていて、馬車はまたゆっくりと動き出した。

奥にもう一つ扉が見える。

その石の扉は、分厚く重そうだ。

一行が門の中に入ると後ろの門は閉められ、前方の重い石の扉がゆっくりと動き出した。

後ろの扉とは違い、前方の扉は、轟音を立てながら、左右に開いた。

二十人余りの騎士団と、二台の馬車は、驚くほど厚い石の門を通るとき、わずかな恐怖を感じて、ゆっくりと歩く事が出来なかった。

馬車は走るようにイルバシット王国の地を踏んだ。

すべての騎士が門の中に入った事が確認されると、数人の門番が、太い縄に向けて、斧を振り下ろした。

すると、地響きを立て、驚くほど速く、重い門は閉じられてしまった。

どんな仕掛けなのか、想像してみる。

案外、石の重みと傾斜を利用した簡単な仕掛けなのかもしれない。

しかし、一度これを見た者は、轟音と、巨大な石の動きの速さに圧倒され、イルバシット王国を、侮れない相手と思うだろう。

小さな国だ。

圧倒的に兵士の数は少ないはず。

65
最初 前へ 62636465666768 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ