イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
必死なキキの姿を見てしまうとカザルスは、いつも止めることが出来ない。

今日も、アルカザの元へ向かうキキの背中を見送ってしまった。





アルカザが、執務室に戻ると、水晶で飾られた皇太后の席に、キキが待ち構えていた。

なんだか痩せたみたいだ。

アルカザは、やはり、母の体が心配だった。


「アルカザ、早くもどれて良かったわ。飛来した石を見せてくれる約束だったわね。あの石には、病を癒やす力があると、お告げがあったの。お父様の病も、きっと癒えるわ」

アルカザは、痩せてしまった母親の体が心配でならなかった。

しかし、とっさに母親を納得させられるようなうまい言い訳は思い浮かばない。

だから、石はもう無いのだと言うしかなかった。


「母上、あの石は、凶相を表すものです。古文書にもそうあります。私は、先人の意見に従うため、今日、欠片を取ったその場所に石を返して参りました。ですから、もうお見せする事は出来ません」


「約束したではありませんか?あなたは、お父様を治して差し上げたくはないの?それならば、その石まで私が行くだけです」

「母上、石の周りは立ち入り禁止です。騎士達にはそう伝えて来ました。少しの間、石の事は忘れて下さい。凶相の石に近づけば、母上の星を読む力も弱まってしまいますよ。父上も心配しているのです」

「使い方を間違わなければ、石は力を発揮するの。私を信じて頂戴」

「母上が、少しの間おやすみになり、またもとのようなえくぼを見せて下さるようになったなら、お連れする事にいたしましょう。聞いて下さらないなら、場所はお教え出来ませんよ」

「なぜなの、あなたが約束を破るなんて。私は大丈夫。痩せたのは、イルバシットの凶運が見えていたから。決して石のせいではないわ。私は、二つの国を結ぶ橋でもあるから」

「どんな凶相が見えているのです?私に出来る事なら、力になりましょう。それで母上のお心がやすまるなら。どうぞおっしゃって下さい」

キキは、諦めてはいなかったが、イルバシットの危機を話す事にした。

「エジプトから、もうすぐ使者がきます。戦士たちの通行料を高額にする条約を結ぼうというのです。止めさせるには、塩の流通をたてばよい。エジプトの海塩は、濃度が薄くなり、彼らは塩に困っています」
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