イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「いつもながら、君はよく寝るな!朝食に呼ばれたんだが、お断りしておいた。今ここに運ばれて来る」


「そうか、ありがとうよ」

俺達は、どちらともなく笑いあった。

「なんだか、複雑な兄弟みたいだな。トルカザは、俺達が想像したより、大人なのかもしれない。夕べ、兄貴に負かしてくれって頼まれちまった」

「トルカザには気をつけた方がいい。彼には、普通の人間が持っているはずの執着が無いんだ」

「そうだな。でも負けない。イルバシットの剣士として、絶対にね」

二人の間に沈黙が訪れる前に、ネストが口を開いた。


「バルザン、キキ様の話を聞いたか?渡すべき宝があるってこと」

「トルカザが王子らしくない訳も、アルナスから聞いた。キキ様に星を読む力が生まれたことも聞いたけれど、その力については信じるべきか迷ってる。ただ、ラスカニアに来てから、力に目覚めたと言うから、ありえるかも知れない。俺の父さんは、旅の途中で突然力を失ったんだ」

「星読みが突然力を失うなんて、そんなことがあるのか?」



「あぁ。星読みは、星の声を聞く力を、天と地から分けてもらうんだ。跡継ぎが決まると、父親がその地に導いて、力を授けてもらう。だから俺は、星の見方は知っていても、星の声を聞く力は無い。この国のどこかに、享受点があるのかもしれないな」

「その地点を、僕達で探す事はできないのか?」

「俺に星の声が聞こえたら、すぐに分かるんだが。今のままでは、彼らに聞くしか方法はない。しかし、俺達が王族でないことが分かった今、聞いたところでこれ以上話すまいな」

「キキ様の死について、謎が解けるなら、それは、イルバシットにとっても、ラスカニアにとっても前進なのに、残念じゃないか」

「確かに、でも王族同士の問題に首を突っ込むのは、やめたほうがいい。ここにいる事だって、危険な事なんだから」

いつも冷静なネストが、キキ様の事には熱心だった。

「王族に間違われたことが気になるのか?そう言えば、ここ数年、旅立ちの度に、王子が紛れてるって言われてきた。でも、王子がその日まで自分の身分を知らないなんて、あるわけ無いよな。心配いらない。俺は王子なんかじゃないさ」

ネストは、悲しそうな顔をした。

俺はその悲しみの意味が分からなくて、熱も下がったぜと付け加えた。

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