イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「そう。でも嬉しいよ。僕は強い剣士が好きなんだ。ねぇどうせなら、父さんの前でやらない?観客のいないここでやってもつまらないでしょ?」

全く、このわがまま王子め!勝手な事ばかり言いやがって!

俺は、苦笑いを浮かべながら、ネストの方を見た。

こういう時は、一人で決めない方がいいと思ったのだ。

トルカザは、どこか、自分を投げているところがあると、ネストは言っていたし。

俺の視線に気づき、ネストはこっちへ帰って来た。

「剣士は君でしょう?君が決めてよ!」

「彼は運命の友なんだ。ともに闘い、ともに考える。そう決まってる」

「彼は、僕達との試合を一人で決めたよ」

「それは、俺の体を気遣ったせいだ。始めは、熱を出してる俺に試合をさせる気はなかったからね」

「だって、試合をするのは君なのに」

「二人で決めるんだ。この旅の間はね」

トルカザの表情は、明るく人なつこい話し方とは違って、とても強い意志を現している。

トルカザは、俺達が想像したように、母親を求めているんだろうか。

彼の強い眼差しを目にすると、その考えは、間違いのような気がして来る。



「どうかしたのか?試合は、明後日と決まったんだろ?」

「今度は、国王の前で御前試合にしようって言い出した。小さい方の王子様がね」

「招待状もなく、国王様に謁見など、叶うはずもないじゃないか。もしも王子の友人であったとしても」


「明日の朝の謁見の時、二人で頼めば、すぐに許しがもらえるよ。イルバシットからの来賓は、久しぶりだから、父さんもきっと喜ぶ」

俺達は、顔を見合わせた。

厄介だ、とは思ったが、危険は感じなかった。

ネストも同じ顔をしていた。

「わかった。けれど条件がある。試合は必ず明後日に行うこと、そして勝敗がどうあろうと、一試合ずつで終わりにすること、試合が終わったら、僕達の旅にもう関わらないこと。この三つの条件を呑んでくれないなら、僕達は、城には入らない。バルサン、これでいいだろ?」

ネストは、最後に俺の顔を見て、締めくくった。


「あぁ、俺は構わない」


「今まで君達のわがままを聞いてきた。僕達の言うことを聞くなど簡単なことだろう?」


アルナスは、黙って聞いていた。

そして、トルカザが彼を見ると、にこっとして頷いた。


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