イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「そうだな。キキ様の作って下さった架け橋がもっと強いものになる。彼らは、この国の未来だからな」


頭はガンガンするが、胸のもやもやはすっかり晴れていた。


「もう寝ろよ。俺は少し運動してから寝る。さすがに剣は貸してくれなかったけど、棒切れでも振り回さないと、眠れそうもないんだ」

「そうだよな。大会の前みたいだ」

「それじゃあ、ちょっと外へ行ってくる。スープを飲むだろ?花売りに頼んでやるよ」

「ありがとう。夕べから何も食ってなかったな」

いらいらした気持ちは、跡形もなく消えていた。

ネストは少し笑って、いつものように左手を上げて出て行った。

ネストは、いつも言葉ではないもので、俺を慰めてくれる。

俺は、甘えたままでいいのか?

すぐ近くにある窓に身を寄せて、広場をのぞくと、明日試合をすると決めた三人が揃って剣を振るっていた。

皆、同じ気持ちで、庭に出たのかもしれない。

思い思いの方向を向いて、剣を振るう背中からは、自信と不安が、交互に見えている。

体は小さいが、主人役は動きが早くて、手ごわそうだ。

ネストに勝ち目は無さそうに見える。

アルナスの方は、ネストとおなじく、剣が得意ではなさそうだ。

アルナスには勝ち、トルカザには負ける。

丁度良いと言えるのか。

俺はわがままを言い、その上ネストに甘るだけか?

そんなの嫌だ。

せこい考えかもしれないが、ネストと対等でいたい。

ネストには、いつも助けられる。

とても頼りにしている。

しかし、変わりに試合をしてもらうのは、違う気がするんだ。

俺は、主人役の試合の相手を、自分でしたいと思った。

俺は、わがままな考えをしたことなんかすっかり忘れ、今は、ネストが負ける事が嫌でならなかった。

そう思った途端、俺は、苦痛から解放された。


「君達、ちょっとこっちへきてくれないかな」

俺が声をかけると、皆こちらを振り向いた。

二人の王子はゆっくりと、そしてネストは走るように俺の窓に近づいた。

「ネスト、明日の試合、トルカザの相手は俺がする。試合をしようと計画したのは、彼だろ?だったら、初めからそうするのが礼儀だった」

「そんなふらふらで何を言ってる?」
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