イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット


「だれも、お前のせいなどにした覚えはない。宮殿の外で狙われたとしたら、それは弟の責任だ。それは弟も覚悟の上だろう。それでも、宮殿の外に出たいと言うのなら、それなりの訳があるのだと考えるしかないな」








バルザンとネストは、置かれた状況を知るわけもなく、ゆっくりと確実に、美しい宮殿に近づいていた。

「おい、なんでこんな貴族の宮殿の近くに宿屋があるんだ?本当に怪しい国だぜ」

「バルザンが王だったとして、自分の家の近くを、旅人が通るのは喜ばしいことかな?」

「知り合いならともかく、どんな奴か分からん者には彷徨いて欲しくないな」

「やっぱりそうだよな。僕が王だったとしても、同じだよ。なぁバルザン。僕たち歓迎されてるんじゃない?」

「まぁ、ラメル様の大おば様の嫁ぎ先なんだから、王族なら、歓迎だろうけど。俺達みたいな若僧を歓迎して何か得があるか?」

「無いよな。でも、誰も追い払いも、調べにも来ないなんておかしいだろ?」

ネストは、得意の分析術を駆使して、答えにたどり着こうと努めるが、どうもしっくり来なかった。

しばらく行くと、やっと宿屋の印が見えてきた。

宿屋さえ、並みの建物ではない。

そこは、宿屋だとは思えないような堅牢な建物だ。

しかし、土地勘のない二人は、そこにある、宿屋の印を信じるしかない。

「条約があるんだ。殺される事もないさ。とにかく、少し休まないと、せっかく昨日旅を始めた意味がない」

二人は半信半疑のまま、宿屋に近づいた。

すると、入り口の横の扉から、下僕らしき男が転がり出てきた。

明らかにおかしい。

二人は目配せで合図して、そのまま通り過ぎようとした。

しかし、宿の主人らしき男が、下僕を叱る声が聞こえてきた。

???

イルバシット語ではないか?

すると、下僕であるはずの男の身のこなしがまた見事である。

見事すぎる転がり方。

イルバシット語で、解説してくれている宿屋の主人。

明らかに怪しいのだが、二人ともその先がつい見たくなってしまった。

宿の経営者にしては若すぎる男は、再び下僕を小突いた。

下僕は、見事に転がって、その手から、一本のナイフが二人の前に投げられた。

二人にとって見覚えがあるそのナイフは、まさしく、王族用の美しきトルキではないか。

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