イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
ニキの言葉で、ラザが俺のへまの話をしたのが分かった。


父は、心配しているだろう。


キーナ家の武器、大剣の稽古の時は、厳しかったが、本当に優しい父だ。

もう旅立ちの年なのに、父に心配をかけたのがなんだか悔しかった。


扉をあけた所にあるのは、物置で、二階に上がる階段は、反対側に隠されている。

長い苦難の歴史が、作り上げた災難除けなのだ。

階段の横に扉が二つある。

一つはラザ、もう一つは俺の部屋だった。


今ラザは、ニキと二人、三階の当主の部屋で暮らしてる。

この家の当主は、ラザだと言うことだ。

俺は、花嫁をもらう事が出来たら、この家を離れ、家を持つ事が出来る。

イルバシットでは、結婚が、男子の成人の証なのだ。

女の子は、国に残る事もある。

戦士の娘であること、相手が戦士ではないこと、三代前まで血縁が無いこと。

これが成れば、女の子は、相手を選べるが、案外、難しい。

もちろん、長い歴史の中では幾人かいるけれど、顔も見たことがない。

すごく少ないし、あまり歓迎されない感じがする。



いつか、誰とでも結婚出来る日が来る。

いつだったか……

確か、今年の初めに、王はそう演説した。

俺は、スグリの森のミナの事を思い出して、少しだけ、この国を恨んだのだった。

ニキがスープを出してくれた。

野菜と豆のスープ。

辛くしてあって、すごくうまい。

もうすぐ夏だけど、やっぱり、夜中は冷えるんだな。

俺は、一気に胃に流し込んで、おかわりをもらった。

「ニキ、本当にうまいよ。イリシャの人は、みんな料理がうまいのかな?」

「ありがとじるざ、わたしのかあさん、たべさせるひと。わたしもてつだう。まいにちまいにち。イリシャ、おいしいものたくさん。イルバシット、魚少ない」

ニキは、緑の目を細めて笑った。

「そうだな。山しか無いとこだから。イリシャには一度行ってみたいよ」

俺は、ラザとどうやって知り合ったのか、聞いてみたかったんだが、なんだか恥ずかしくて、父さんを呼んでと言ってしまった。


「はい、隣のへやでほんよんでるシーナままといっしよ」

ニキは、すごく綺麗な人だ。

単なる美人とは少し違うと感じるのは、こんな片言のしゃべり方のせいかもしれない。
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