イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「なぁ、ミナが幸せならいいさ、でもそうじゃないことだってあるんじゃないの?そうだったらどうするつもり?」

「分からない。ただラスカニアへの旅は、十日で終わらせる。たとえ、ミナに会えなくとも、ミナが幸せじゃなくとも。約束する。それなら、シルザニアにはゆっくり行けるだろう?」

「あの子は残らなかった。ふるさとを選んだんだ。君には、そんなミナに会う覚悟があるのか?」

「あるさ。旅立ちそのものが覚悟だろ?」

俺は、キサと話すうち、ずいぶん元気を取り戻した。


「そんなに会いたいなら、行ってやるよ。正し五日にしよう。大切な日程なんだ」

「わかった。五日でいいよ。早く行きたい」

「今日明日は、君は安静だぞ!さっきまで、アビー様が診て下さってていたんだ」

「叔母さんが!そうか、西の星を見て、帰って来たんだな!声をかけてくれれば良かったのに」


「まだ戻られたばかりらしい。これから王宮へ向かうところだと、おっしゃっていた」

俺の叔母さんアビーは、トルキナスのひとりだ。

本業は、星読みだが、医術にも精通している。

旅先で、少しずつ体得した技である。

叔母さんは、天才なんだ。

キーナ家で言えば、天才剣士ラザと同じ。

でも、父さんは、その叔母さんを追いこして勇者となった。

俺は、旅立ちを前にして、いろいろな事を学んだ。

人には、それぞれ役目がある。

俺にも、キサ二も。

俺は、自分を信じ旅立ちを迎えるだけ。

キサと二人、旅を楽しむ。

花嫁も、大人と認められる事ももうどうでも良かった。

「おい!頼むから大人しくしてろよ。俺は、また道場に行って来る。帰りに寄るからな!」

キサは息巻いた。

刀掛けから、自分の大剣を取り、じゃあなと言った。

「帰りまで、俺のトルキを見張っていろ。でも触るな」

キサはニヤリと笑い、利き手の左手をさっと上げた。

俺は、笑顔で答え、キサを見送った。

そして、触るなと言われた、彼のトルキを手にとった。

自分のよりもやや細く、繊細な小刀だ。

トルキの色も少し違う。

それぞれに合った物がちゃんと渡されるんだな。

そう思うと、期待され、守られてると感じる。

もし、トルキナスや、勇者になれなかったとしても、俺達へ向けられた情は、変わらないんだ。

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