イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
人々が俺達若い戦士に向けてくれる真心に励まされた。

今も自分の心の中に、ミナがいることにも気がついた。

そして、この旅がもたらすものが幸せだけでは無いことを教わった。



やがて俺の目からは、また涙が流れてきた。

でも、ポロリとこぼれると、その涙はすぐに止まった。

自分では、どうにもならない事が、この世にはあるんだと言うことが、俺の心を少し大人にしたのだった。



いつの間にか、俺は眠ったが、翌朝目覚めた時には、高い熱が出ていた。

俺は、稽古に来た戦士達の担ぐ輿に乗せられ、家まで連れ帰られた。

キサは、きっと俺の体を心配したんだろう。

一人王と謁見して、二人のトルキを受けて来てくれた。


「どうした…どうしたんだよ」

キサは、目を開けた俺の顔を覗き込んだ。

俺は迷った。

先生の事情は、話せないけど、真実を伝えたい。


「夕べ道場である人に会ったんだ。お前が帰って、兄さんが剣を持って帰った後だ」

俺は、運命の友を信じることにした。


「その人の話を聞いてくれ」

「その人って誰?知ってる人か?」

「とにかく聞いてくれ」

俺は、キサの目の色を確かめながら話を続けた。

「その人には恋人がいたんだがある王子様が迎えに来て連れて帰ってしまったんだ。彼は、王子様とお姫様が幸せになるところが見たくて、ついていった。お姫様を失った痛みは大きかったけれど、彼は必死に働き、王子様の国で認められた。でも、ある日、お姫様は、彼に帰りたいって言った。彼は忘れていた胸の痛みを思い出して、間違いを犯してしまった」


「……タンカミ先生の事にしか聞こえない。そうなのか?」

「答えられない。俺は、話を聞いて、苦しくなった。この旅は、幸せを探す旅だと教わって来たけど、実際には、誰かを傷つけることもあるんだ。誰が悪い訳じゃない。でも、誰も傷つかない旅なんて無いんだ」


「……」


キサは、タンカミ先生の話だと確信したらしい。

「だから…彼はどんなに寂しくても、恋人を持たなかったんだ。でも、これからは、恋人を探すって言ってた。いろいろ考えたら眠れなくなって、仮眠所に置いてあった剣をふるって汗をかこうと思ったんだよ」



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