イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「分かってるよ。キサも午後にはトルキを貰いに行こうって言ってる。だから、明日の朝起きたら直ぐに帰る」

「じゃあな!新米戦士、頑張れよ」

俺は旅立ちを許された嬉しさに、少し表情が緩んでた。

ラザは先生とは違って、遠慮なしで俺の頭を叩いた。

そして、にやけてると、痛い目を見るぞと言って帰って行った。



風にのり、豆のスープの匂いがして来た。

きっとラザが持って来てくれたに違いない。

ニキのスープの匂いだ。

俺の腹は急に空腹を訴え始めた。

弁当を入れたかごは、自分で踏んづけた気がするし。

なんとなく元気が出ないのは、朝から何も食っていないせいなんだ。

俺は、裏庭で揺らめく松明を眺めながら、スープが運ばれて来るのを待った。

ため息がでるほど腹が減った。

おとなしく寝てろって言われたけど、台所を覗くくらいいいだろう。

サンダルはどこへ置いて来たのか、見つからず、裸足で立ち上がった。

動くと少し痛いけど、もうふらふらする事も無かった。

俺はいい匂いに誘われて、その方向へ歩いて行った。

台所ではないけど、きっと外の竈を使ってるんだろう。



覗きこむと、やっぱり俺の家の鍋を、先生が温めている。

声をかけようとした時、先生は独り言を言った。

「戻る事など出来はしない…」

そうはっきり聞こえた。

やっぱり先生はイナに帰りたいんだな。

俺は、声をかけられず、そのまま仮眠所に足を向けた。

裸足が役に立った。
俺はまだ暗がりの中だから、先生の悩みは聞かなかったことにしよう。

そう思って、完全に後ろを向いたとき、女の人の声がした。

先生の恋人かな?

だったら、イナには帰らないだろうな。

なんだ、心配して損した。

俺は早合点して、歩き出した。

しかし、二人の話は、そこで終わらない。

でも、イナの言葉らしく、俺には分からない。


「姫、ここへ来てはいけない。何度も申し上げたはずです。あなたがあの方を選んだ時から、あなたの加明(カミン)はもう死んだのです」

「どれほど時が経っても、あなたの事が忘れられない。すべて私の間違いでした」

「あなたは、セラ様を、どうするつもりだ。いつ王になるかも知れないご身分の方を、裏切るつもりなのか」

二人の言葉は分からない。
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