イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット

運命の日は、明後日に迫っている。

そして、キサと二人試練を克服出来たとしたら、その日から、幾日もたたずに旅立ちの日を迎えるはずだ。

やはり緊張せずには居られない。

男がひとりのキサの家と違い、俺の家には、兄がいて、運命の日も、旅立ちの日の様子も、だいたい分かるのだ。

だからかえって緊張する。

考えたくなくとも、頭に浮かんでしまう、去年の兄の様子。

でも、さっきの状況よりはましか?

俺は、ため息をつきながら、家路を急いだ。







2 情熱

俺の家は、石の家が立ち並ぶ西の町イサナの中ほどの所にある。


家の扉は、重く、パズルになっているから、家の者しか開ける事が出来ない。

家の前までたどり着くと、すでに、兄ラザの寝息が聞こえていた。

「儀姉さん、俺が開けるよ」

去年の夏、ラザが連れて帰った花嫁だ。

まだ、エジト語がうまくない。

彼女は、アラビアよりもっと西の、イリシャという国のキャラバン隊の商人の娘だという。

二人の間にどんな物語があったのか、俺はよく知らないが、俺が年頃の娘だったら、兄貴にならついて行くかも知れないと思う。



「ありがとじるざ、ラザはねてる」

「あぁ、本当にすごい、寝息だね。一晩中寝てないから、当たり前かも知れないけどさ。ニキ、塩を取って来たの?」

「エェ、やまでロナにあた。サミンがとるきなすになったていった」

「そうだね。サミンさんは刺剣の師範だ。当然、選ばれる戦士だよ。彼はラザより三つ年上だ。後二年したら、兄貴も選ばれるさ」

ニキは、緑の目を見開いて、微笑んだが、全部は通じて無いんだろうな。

トルキナスとは、王の側近で、三十人たらずの戦士や星読みの集団だ。

イルバシット山で取れるトルキという宝石を自分の武器に飾る事を許されている事から、この名でよばれるようになった。

そこに入るのは、戦士達の目標だ。

俺は、父がその一員だった事で、門番の職を得ることが出来たんだ。

「ニキ、塩を仕舞ったら、スープをくれ。今日はなんだか疲れたよ」

「スープあるよ。シーナまま誉めてくれた」

「良かったね。ニキは、もとから、料理うまいじゃないか。父さんは起きてる?」

「はい、上でじるざまってる」


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