イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
私は、ジルザが休んでいる仮眠所の扉を叩いた。

「目が覚めたかい、ジルザ。タンカミだ。入るよ」

弟子は、どんな顔をしてるかな?

楽しみだ。

「先生。瘤が出来ちゃった。旅立ちまでに消えるかな?」

元気そうな声がして来た。

「凄い勢いだったからな。キサは、闘いの中にいて、神経が研ぎ澄まされていたから、避け始めてたが、君はそのまんまぶつかった。瘤ですんで良かった」

タンカミは、空になっているカップに水を注ぎながら話した。

ラザよりは、複雑な性格が良く現れている。

僅かの不安もその目の中には見えないのだ。

不安なはずなのに。

迷う心を、何とか打ち消したんだろう。

「ジルザ、強くなったね。私の剣の間合いを見事に読んでいた。あの剣は、止められなければ、キサの首に入ってた。見事な合格。二人は、運命を共に切り開く旅に出る事を許されたよ。君は、私に言った言葉や、剣を振るった事を悔やむ事はないからね。君達が、もし盗賊に襲われたとしたら、たとえ条約や、約束事に反していても、その大切な命を、自分の手で守らなくてはならないんだから。君の選択は正しかったよ。歩けるようになったら、トルキを受け取りに王宮へ行くんだ。キサは、君と二人で行きたいらしい。怪我があることは報告してあるから、旅立ちの日は延びるかも。良く聞いておいで」

「どんな道を撰んだら失格だったんだろう。先生、教えてくれませんか」

「失格なんかないよ。若い戦士達に間違いかなんかない。いつの時代も純粋で、懸命だ。ただ、城壁の中と外の違いを教えなくてはならないから。過去に悲しい事件があった事はしってるだろう?」

「はい、ラスカニアで起きた事件。私とは切り離せない事件です。義理の叔父の家で起きたことですから」

「そう。あれから、試練は厳しくなったんだ。イルバシットは自然に守られた戦のない国で、戦士達は命のやりとりをしたことがないからね。危険を感じる感覚が鈍くなってる。それを呼び覚ますのが私の仕事でした。キサからも君からも、私は、充分な殺気を感じたよ」

「先生…俺は…」

「ジルザ、何も気に病む事はないと言ったでしょ!君がもし本気で私を殺そうとして剣を振るったんだとして、それはどうしてだったろうか?キサの命を守るためじゃないのかな?」

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