イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
第1章 イルバシット
『イナス、聞こえるか?ランプを増やしてくれ!火を付けたら、鎖で下に下げるんだ』
『シス様、どこに、どこから声が聞こえてくるんですか?火を増やすんですね、ランプに着いているこの鎖で。下に何が居るんです?私も参ります。入り口を開けてください!』
『大丈夫だ!ここに危険はない!しかし、賊の狙いが分からん!もうキキ様を狙うのは無理、それでも諦めず、何かを狙っている。しかし今は、ここにとらわれている者を救うのだ。できるだけ多くのランプを頼む』
レンカは、サビを遠ざけた後、うっすらと浮かぶ人影に近づいた。
ここからじゃ、シス様の少し赤みのある金色の髪は、確認出来ない。
すると、吊るされたランプが徐々に下がりはじめた。
本当にシス様ならいいが、もし別人だったとしたら、
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