イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「シス様、私が参りましょう。危険です。お一人では」


「いや、この道だけは、お前にも見せるわけに行かないのだ。ここから先は、行った事のある者しか知らぬ。私とカズ、しかな」




「王宮への極秘の報告ならば、私が必ず、ここは地下通路の入り口」



「たしかに相違ないが、秘密を守ることは、王からの言いつけだからな。リリアすら知らない道がたくさんある」



イナスは、不服ではあったが、もう一人の影、レブも、この家の姫君リリアも知らない道だと聞いて、引き下がった。


「私が入ったら、扉をしめよ。閉めたらあの扉の中で、ランプの火を二つ三つ付けておけ。道を進みながら、無事の知らせを送る。助けのいるときは、声で知らせる。では頼むぞ」



「御意」


イナスは跪いた。


ランプの火が、地下に降りる階段を照らした。


さっき確認した時は、下に続く階段しかなかったが、今は、右の石壁がなくなっている。


ふと、イナスの背中に汗が流れた。


シス様は、いつも部下のところまで降りて下さっている、けれど背負っているものは違うのだ。


武器も槍、背丈も髪の色も同じ、いざと言うときに、身代わりとなる騎士として、私とレブは覚悟を決めて生きて来た。


そのつもりであったが、背負う物のおもさを感じる事は出来てはいなかったと言うことだ。



背中を伝う汗が、そう教えていた。



扉が閉まると、それは来た時とは異なる形となった。


すでに、こちら側からは開けられない。



指示の通り、奥の部屋の扉の取っ手に手をかけると、鍵を使うまでもなく開けられた。


中は窓がなく、灯りは、持っているランプだけ。

イナスは、取り付けてあるランプに火を灯した。









「なんだ、あのほの明るい光は?」


「…ランプの明かりでしょうか?揺れている」


北の塔の二人は、その光が、敵なのか味方なのか分からず、揺れている光を見ながら、声を潜めた。


「欲しければ、水を飲んでおけ。それからお前の持っている肉を出してくれ、腹ごしらえしておこう」


まるで、国の外へ進軍する時のように緊張している二人。


「敵だと思いますか、小隊長」



サビは、流石に、怯えを顔に出している。


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