イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「ペンと紙を渡し、取り次いで欲しい内容を書かせろ。私が必ず渡すと伝えるんだ」


「イーデ様。私は、話を全部聞いて来ました。その…彼は、ケイ・シグはイーデ様が来なかったら、腕なり首なり、捧げると言って…。今は、正門の前で縛られています。余計な事かも知れませんが」


「イーデ。その兵を知っているのか?」


「はい。職から離れれば、幼なじみです」


「お前はさっき、私の命令を無視して食事を取らなかったな?その罰を与えよう」


「なぜです?食事など、昼にしてあります」


「いつ何があるかわからん時だ。食事は出来るときにしておくべきではないか?」


「それは確かにそうですが…」


「罰として、その兵の話を聞いて来い。急げよ。私が、この杯を飲み干す間に戻って来るんだ」



シスは、元から空の杯を持ち上げた。



「もし間に合わぬ時は?」


「この葡萄酒を飲み干す間に戻らぬ時は、護衛の任を解く。そうまでして私に伝えたい事とは何か聞いて来い」



背後から、騎士団の仲間達が囃す声が聞こえる。

俺だって、シス様の心はわかってるさ。

しかし、どうせなら、シス様のはからいに甘えるのではなく、期待に答えたい。

遣いに来た兵士を追い抜くと、門番をしている自分の部下の前に飛び出して行った。


「イーデ様。本当にお出になるなんて」


「心配はいらない。聖騎士団がすべてシス様の周りを固めているんだ」


「来てくれたのか。半信半疑だったよ。首を取られないよう、言い訳を考えていのに」


「縛られてまで伝えなければならないこととは…何なんだケイ」



「北の塔の事だ。塔の中でコツコツと音がするんだ。きっと、イタチか、キツネか、動物が紛れこんでるんだ。反逆者が連れて来られた時、穴でもあったら、大変じゃないか」


「北の塔の中で?」



イーデは、力任せにケイを引っ張り起こし、縛られている縄を掴むと、宮殿の扉を開けた。


「お前は知らないだろうが、シス様は堅物じゃない。お前を連れて帰っても、驚きはしないさ」


「シス様に直接話をしたいと思って任務をおいてここまで来たんだ。望むところだ」


「だったら、もっと早く歩け、賭けに負ける」


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